ツモ番あと3回しかありませんよ?
トップ目ですよ?!!!!
(なんやねん…どんな手が入ってるだあの女…)
と思ったかどうかはわからないが、親のリーチを打っているハズの松本の表情が歪む。
この運命の一局の結末は…
流局となった。
石橋も掴んだで回っての裸タンキ。
結局、オーラスも高宮がアガり切ってトップを獲った。
正直、あの押しが損得勘定として見合っているかは限りなく怪しい。
しかし、麻雀のことだけを何十年と考えてきた百戦錬磨の男性プロに対し、真っ向から知恵比べで挑んでも、そう簡単に勝つことはできない。
むしろ、小手先の技術から生み出される幻想に惑わされず、自分の手牌を信じて打ち切った方が、この数戦のようにうまくいく可能性は高いと思う。
それにしても貴女の押しは狂っていた。
狂おしいほどに強烈で、美しく、そして私は感動した。
(高宮+58.4 石橋+7.9 茅森-21.2 松本-45.1)
さて高宮のバトンを受け取ったのが、
二回戦の藤崎だ。
この藤崎も新規加入の選手であり、かなりクセの強い打ち手なので詳しく紹介したかったのだが、高宮パートでエネルギーを使い果たしてしまったので、サラッとだけ紹介したいと思う。
その前に休憩を兼ねて雑談。
ラグビーではトライを決めると5点入る。
そしてトライを決めた後、コンバージョンキックと言って
トライをしたライン上から蹴ることができるのだ。これがゴールポストの間を通ればさらに2点追加される。
5+2で、つまり7点差まではいつでも一撃でひっくり返すことができるというわけ。
麻雀に例えたい年頃なので一生懸命考えたが、マンガンアガった後に2000点くれるとかないしな…と思っていたら!
白鳥のウラ3!
これはコンバージョンキックっぽい!
それでは本題。
白鳥がコンバージョンキックを決めた次の局。
藤崎はこの手牌からを切った。
おや?と思った。
という形はを切るのが基本だからだ。
をツモったときにイーペーコー目が残る。
しかし藤崎は、とにくっつけてのジュンチャン三色。
それに、もしかしたらピンズのイッツーも見ていたのかもしれない。
ブロック不足でこそ構想力が問われる。
藤崎は、その構想力の高い打ち手であることは間違いない。
さて、その藤崎の手が順調に進んだこの場面。
受け入れの広くなるを残すか、安全牌のを残すか…という場面。
藤崎は少し場を見渡して
を切った。上家の小林の捨て牌に注目してほしい。
が早く切られていて、が危険なのだ。
次の瞬間、その小林がをポン!
そして手牌は…