西原理恵子 & 山崎一夫 楽天優勝セールで二重価格問題発覚!?

楽天優勝セールで二重価格問題発覚

プロ野球で楽天イーグルスが日本一になり、デパートやネットの楽天市場では、ファン待望の優勝セールが行われました。

ところが、一部の楽天市場の出店者が、大幅な値引きをしているように見せかけて、実は通常価格とほとんど変わらない価格で売っていた、と報道されました。せっかくのお祝いに水を差す結果になってしまい、残念です。

ところがですね、ご存じのようにこうした二重価格は、特に珍しいことでは無くて、むかしからどこでも行われているんです。

たとえば激安スーツ。「1着通常価格から7割引きで九千円」「半額セールで1着一万八千円。2着目はたったの1円」とか、昔はすごい広告を見ましたよ。最近は公正取引委員会の指導のせいか、それほどはひどくないようです。

公正取引委員会以前にも、チェーンストアの経営コンサルタントの渥美俊一先生(故人)が、顧問先の誇大広告を戒めていたおかげもあると思います。

「あなたの会社は、値引き前の価格で一着でも売ったことがあるんですか。もし無いなら、値引きはウソになる。私のコンサルティングを受けたいんなら、損得より先に善悪を考えなさい」

渥美先生は、日本のチェーンストア時代を創世記から築きあげた大物コンサルタントで、業界では絶大な影響力を発揮しており、たいていの社長が頭が上がらなかったんです。

あ、ギャンブル・ライターの私が何でそんなこと知ってるかと疑問に思うかもしれませんね。実は昔フランチャイズ・チェーンの弁当店に加盟していた時に、何回も講義を受けたことがあるからです。

十数年前に消費税が導入された時には「消費税還元セール」というのが盛んに開催されました。当時の3%の消費税は店が負担するので「お客さんはこれまでどおりの価格で買えます」というものでした。

これもウソが多かったです。事前にこっそりと数日間売価を値上げしておき、セール中に本体価格を消費税分値下げしたように見せかける手口です。

いちおうアリバイ作りをしていましたが、これも渥美俊一先生に見破られて、社長が叱られてました。

 

現在では、こうした短期のアリバイ造りは、公正取引委員会も認めていません。一定期間の販売実績が無いと違法になるんです。
このように、大手の会社は法令順守があたりまえになりましたが、小さいところはまだまだそうはいきません。

たとえば街のブランド物のティスカウント・ストアはどうでしょう。「定価五十万円の腕時計が、驚愕の二十万円」「分割払いOK」とかね。

 

最近は定価という言葉自体をほとんど聞かなくなってるのに怪しいです。メーカー希望小売価格とかオープン価格などが普通です。でもそのブランド商品が本物だったら安いんでしょうから、自分の目利きを信じるしかありません。

私は縁がありませんが、キャバクラやホストクラブなんかも、二重価格ですよね。店の表やホームページに書いてある料金で済むことは、めったに無いと聞きます。

 

私は昔、吉祥寺の駅前でキャバレーの呼び込みをやってましたが、二重価格でしたよ。

 

でも、そういうところで一目置かれたい、モテたいのなら、たとえ少々高くてもある程度ヤセガマンしなくちゃね。

プレゼントしたブランド品がそのまま、中古ブランド品店に売られててもやむなしです。「このプレゼント大事に使ってるのぉ」と持ってても、数人のお客さんに同じ物を買わせてることも多いそうですし。

そうやって貯金して、ものすごく高いブランド品や車を買って、ホストに貢いでいるかもしれません。で、そのホストも同じテクニックだったりしてね。

 

結局、多くの商品やサービスは、値段は有って無いようなものなのかもしれません。要は自分で決めるんだと。

お金をお金で買うのは、ほどほどに

私はギャンブル・ライターですが、なぜか温泉の原稿も書いています。取材は都内の450円の温泉銭湯のこともあれば、一泊お二人様十万円という豪華ホテルのこともあります。

泊るのは私ひとりなので、とても十万円は払えません。五万円でもキツイ。そこは交渉次第ですが、週末などはまずマケて貰えません。

ところが、シーズンオフの平日を早めに予約すれば、けっこう安くしてくれることがあります。部屋を空けておくよりも、安くても泊って貰ったほうがいいと言うことですね。

ビジネスホテルの場合は逆に、当日の深夜に、ホテル自らがディスカウント販売をしているんです。

私にはちょっと無理ですが、飛行機代なども早めに予約すると、定価で払うのがバカらしくなるほど安くなります。私はせいぜい金券ショップを利用するくらいですけどね。

話は変わりますが、銀行やサラ金の借金も、実態は二重価格なんじゃないでしょうか。

「銀行系なので、業界最低水準の低金利」「ご利用1か月までは無利子」などと、敷居を低くして誘われますが、広告通りで済んでいる利用者は、決して多くないそうですよ。

「サラ金で借りる人は、契約通りに返済が履行できる人は少ない。延滞金の金利を大きく設定すれば、法廷利息以上も取り放題だよ」

信用金庫勤務の麻雀仲間の話です。

用金庫から、弁当店の開業資金を借りたことがありますが、元もとの金利が高い上に、私の預金担保と友人の預金担保を取られていたので、実質金利は今のサラ金以上でした。でもそのおかげで、開業できたんだからありがたいことです。

要は自分納得がいく決断なら、二重価格でも何でも関係無いんじゃないでしょうか。ネット上では、様ざまな情報やサービスが無料で提供されています。一方オークションでは、元の価格とは関係無しに、高額でな落札されています。

 

「納得がいくものにしかお金を払わない」ありがたい世の中だと思います。

 

(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2014年1月15日号)

●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/

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