マストで阪神タイガースを応援し、銀杏BOYZにどハマりしたあの頃…女流プロ雀士【百恵ちゃんのクズコラム】VOL.13

とバカでかい声で叫び出した。
最前列を奪われた熱狂的なファンからの冷たい視線に耐えられず知り合いだと思われたくなくて百恵ちゃんは無視をしたがお姉ちゃんはとどまることなく

「結局何人組なんだっけー?」

とトンチンカンな質問を繰り返してきたのでさすがに普段温厚な百恵ちゃん

「本当に黙って」

とキレた。

ライブで初めて死を意識した。最前列ゆえに鉄の柵と後ろから押し寄せる観客と板挟みになり圧死するのではないかと思った。そして知ってはいたが本当に人が降ってくるとは思わなかったし何度も上から頭を蹴られるという貴重な体験もできた。

お姉ちゃんは開始から2曲目でダウンし運ばれていった。その後同じ最前列にいた人が続々と運ばれていった。全員酸欠だったらしい。

この写真はその頃の百恵ちゃんの部屋である。

バドミントンの全国大会の賞状の隣に過激なロックバンドのポスターを貼り、メダルや盾の隣にロッキンオンジャパンを並べた高校生はおそらく百恵ちゃんが初めてだろう。
部屋に入ってきたお父さんがそれを見てギョッとしたのを覚えている。

 

次回は1月23日(木)午前0時更新予定‼︎

【田渕家登場人物紹介】

父 コージ:元陸上自衛隊幹部高卒ながら佐官まで登り詰めるも「髪型が奇抜すぎる」という理由で100年に1度あるかどうかの異動の内示取り消しをされた経験がある。現在は三度目の暖かな家庭を築いている。

・母 イクコ:美容師。美容室を自宅で開業するもパチンコにハマり開店休業状態を約20年続けた猛者。おそろしいほど料理が下手。ツーブロックにしたことがある。近況を知らせる連絡では年下のペンキ屋さんとお見合いをしたらしい。

・姉 タエ:無職。1度も定職に就いたことがなく家賃を滞納してはクビが回らなくなりお父さんに払ってもらいに帰ってく るお調子者。過去に大きな交通事故に遭いウン百万円もの保険金を手にするが全てホストクラブに費やした経験がある。

・エリー:田渕家の飼い犬。詐病のプロ。足をひきずったり弱ったふりをしては人間に甘やかしてもらう。動物病院で『至って健康』という診断をされるとそれまでの弱りっぷりを忘れ、凛々しい顔で帰ってくる。趣味は父の顔に噛みつくこと。オスだが思いつきでエリーと名付けられた。

・マイちゃん:母親同士が同じ美容師で仲が良く、物心がつく前から一緒にいた幼なじみ。かなりの美人だが偏差値は2くらいしかない。現在は3人の子供を産み働きながら育てているが一度も結婚したことはなく、更に子供たちは全員父親が違うという斬新なファミリーを築いている。そして最近ロシア人の子供を産んだばかり。

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