あなたは知っているか?
EX風林火山 松ヶ瀬隆弥が
“繊細なる”超巨砲 と
呼ばれる理由を
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2021年11月18日
小刻みに震えていたのは、
裏ドラをめくる萩原の手だった。
東2局。寿人と萩原の2件リーチ。萩原はハイテイでアガリ牌を手元に引き寄せる。興奮が振動となり、萩原の手に流れていった。
この2000-4000のアガリに続き、
萩原は親番でも4000オールを決める。
至極、順調に思えた。そんな萩原は、
さらにリーチで加点を狙う。
待ちのペンは、3枚山にあった。
そのは、
1枚、
また1枚と茅森の元に吸い寄せられていく。
次巡、
瞬く間にツモり四暗刻のテンパイを入れた茅森は、
まるでいつもと同じように、椅子の背に寄りかかった。
すぐに決着はついた。
茅森が萩原からロン。トイトイ三暗刻ドラドラ、12300のアガリ。
萩原が抜け出すかに見えたこの半荘。これで勝負の行方は分からなくなった。
続く東4局、
松ヶ瀬は困っていた。
画面中央をご覧いただきたい。リーチ棒が3本。松ヶ瀬は3軒リーチに囲まれていた。
そして松ヶ瀬の手を見ると… テンパイしている。
斬り込んでいくかどうかを考える松ヶ瀬。相棒となるこの手も、ここまで仕上げるのに一本道ではなかった。
まずは4巡目。松ヶ瀬は打とする。
かなり整っている部類の手だ。だが、を引いたことで少々話が変わってくる。
外すわけにはいかないの部分は愚形含みになってしまった。
また、ターツがあるのでタンヤオが確定しているわけでもない。
そして数牌だらけのこの手。ここでを放してしまっては、中盤以降の守備力に不安が残る。
松ヶ瀬はブロック数を考えてマンズを1ブロックに絞り、タンヤオや三色で要となるを残して、を逃がしてやったのだった。
そして7巡目に、
松ヶ瀬はここから、
打とする。
打としてヘッド固定する道もある。だがそうすると、が5枚見えでのと、が3枚見えでののくっつきを期待することとなる。愚形待ちになる可能性も含めて、最終形が不安だ。
その点、
赤囲みの部分を見ていただきたい。三者ともが切っているピンズの下、ターツにはかなりの期待が持てる。となると、を先に引いたピンズの三面待ちも自然と視野に入ってくる。また、をメンツ候補として考えると、ソウズの部分はアタマ待ち。こちらも三面張で十分過ぎる形だ。
松ヶ瀬はターツのよさを河から汲み取って、打と両面を固定し、他の部分で雀頭を求めたのだった。