女寿人爆誕!
連勝レコードを
大勝レコードで
粉砕、
伊達朱里紗の
卓上蹂躙劇
文・東川亮【月曜・木曜担当ライター】2021年11月1日
2021年11月18日、大和証券Mリーグに、新たな金字塔が生まれようとしていた。

EX風林火山、勝又健志。ここまで積み上げた4連勝はリーグレコードタイ、この日の第2試合に勝てば、Mリーグ新記録の5連勝という偉業を達成する。戦前の注目点は「勝又が勝てるかどうか」の1点に絞られていたはずだ。
結論から言えば、とてつもない記録が生まれた。しかしその顛末と結末を、試合前に予想できた者はいただろうか。
第2試合
東家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:黒沢咲(TEAM雷電)


勝又の記録達成は、序盤から雲行きが怪しくなっていった。東1局、親の魚谷にチートイツドラドラの9600を放銃したのを皮切りに、黒沢、伊達へと3局連続放銃。いきなり大きく持ち点を失ってしまう。

こうなると、誰が勝又の連勝を止めるのか。大きく局面が動いたのは東3局2本場。この局、伊達は配牌から1枚あったを抱え、
など打点や好形の種になりそうな牌を切り飛ばしていく。メンツ候補のくっつきをある程度絞った進行だ。

4巡目に引っ張っていた東を重ねる。これでダブ赤赤、仕掛けて満貫のルートが見えた。もちろん門前で仕上がってもいい。

勝又が仕掛けを入れて打ち出したをポン、終局間際にツモアガって4000は4200オール、供託も回収した。次局も2600は2900オールをツモ、伊達が持ち点を5万点台に乗せる。

東3局4本場、魚谷の先制リーチが入っていた場面で、終盤に伊達がテンパイする。だが、打ち出されるは全く通っていない。そしてリーチの魚谷はもちろん、下家で
をポンしていた黒沢も一発目に通っていない
をノータイムで押している。1000点2000点の仕掛けで突っ張る打ち手ではないだけに、こちらも結構な手が入っていそう。

現状は大きなトップ目、現物などを抜いてオリていい場面に見えた。


だが、伊達は攻めた。結果はリーチ宣言牌が黒沢に捕まり8000は9200の放銃となったが、トップ目からでも強気に攻めていく姿勢は、なんともKONAMI麻雀格闘倶楽部らしいではないか。

東4局、黒沢からリーチが入った一発目。伊達は愚形な上にドラの東が浮いており、どうにも押し返す形ではない。そこへ持ってきたのは現物の、特に問題なく切れそうに見える。

しかし、伊達はを切った。こちらも現物、
をツモる前から
を切ると決めていたのだろうか。

この局は黒沢が4000オールをツモるのだが、実は黒沢のリーチの段階で、勝又が待ちのチートイツドラドラ赤という大物手を密かにテンパイしていた。安易に
を切っていたならば勝又へ8000の放銃、試合の結末も大きく変わっていたはずだ。

勝又はその後、魚谷、黒沢へ8000を打ち上げ、点数はマイナスに。粘って連荘した南2局2本場では、ドラ3の手牌からオタ風・
と鳴いての形式テンパイからトイトイまで仕上げるという独特な手順で粘りを見せるも・・・


黒沢に放銃してジ・エンド。これで、勝又の5連勝の可能性はほぼ潰えたと言っていい。

では、新記録とはなんなのか。ここからは主役の活躍を、6局にわたってご覧いただきたい。

南3局、親番の伊達が山に3枚あったペン待ちリーチをあっさりとツモ。裏ドラが1枚乗って4000オール、トップ目に立つと共に再び点数を5万点台に乗せ、魚谷・黒沢との三つ巴の争いから一歩抜け出す。

続く1本場では7巡目にテンパイ。カン待ちはそれほどよくはないが、既に魚谷が
を仕掛けている状況、赤1で打点もそこそこなので、リーチで押さえつけにいっても良さそう。

ここは少しだけ時間を使い、切りのテンパイ外し。
や
にくっつけての好形、あるいは高打点でのテンパイ復活を目指す。
を引いての三色なら打点は十分だ。

引きでの
待ちリーチはベストとは言えずともベター。魚谷がドラドラ赤のテンパイから打った
を捉えて、3900は4200。

2本場ではチートイツドラドラをダマテンに構え、に待ちを変えたところに黒沢の手が一歩進んで
が打ち出され、9600は10200のアガリ。2番手からの高打点直撃で、トップがかなり濃厚になった。

3本場では先制リーチをツモって2000は2300オール。何気なく見えるこの待ち、実はツモった
が最後の1枚だった。

もはや、何でもアガれる伊達ちゃんである。