ありがとう
ルイス・キャミー
ゼウスのリーダーが、
神域リーグに選ばれたのが
貴方でよかった
トップラス+素点で73100点差。
セミファイナル最終戦、ゼウスのラストを任されたルイスに残された条件は――
もはや条件と呼んで良いのかも怪しいほどに、あまりにも厳しい点差だった。
第2試合、桜凛月が死力を尽くして戦ったものの……想いは届かず。
4位のグラディウスに逆にトップラスを決められ、条件は一気に苦しくなった。
「最後捲れるかなと思って、やったんだけど、ほんとにごめんなさい」
絞り出すような声は、震えていた。
「でもルイスちゃんが(トップ)とってくれる、はずだから」
苦しいのは百も承知。
それでも、姉の想いは、妹に託された。
運命の最終戦。
セミファイナルのルール上、第3試合を戦う選手達は、第2試合までの結果を知らない。
なので、ルイスは、ここまでの厳しい条件であるということを、知らない。
これは、条件戦の側面をなるべく減らし、最後まで自由に戦ってもらおうという狙いがある。
もちろん賛否はあると思うが、神域リーグはそれで良いと思う。
何よりも、彼彼女達が、最後まで楽しく麻雀を打てることを、心から願う。
セミファイナル第3試合
東家 ルイス・キャミー(チームゼウス)
南家 朝陽にいな (チームグラディウス)
西家 咲乃もこ (チームアトラス)
北家 白雪レイド (チームアキレス)
東1局
このをチーして2000点のテンパイをとったのは、アトラスの咲乃だった。
アトラスは相当なことがないかぎりは通過で、咲乃もそれをわかっている。
相当素点が削られるラスでない限りは通過だとわかっているので、とにかくゼウスとグラディウスの親だけはこうした仕掛けで早く流すのが、通過のための最善だと理解しているのだ。
そしてこの咲乃の仕掛けに放銃に回ったのが、白雪だったが
「まあまあまあ、もこさんにアガられる分には、何も問題なし」
白雪もまた、現状を理解していた。アキレスもほぼ通過が確定している状態が多く、こうして安い手に放銃して親が流れる分には、なにも問題が無いとわかっている。
こうなると苦しくなるのはグラディウスの朝陽と、ゼウスのルイスだった。
自分たちは条件がわからない以上、まずは点棒を積み重ねるしかない。
その上で、おそらくライバルであろうゼウスとグラディウスお互いの、上に行きたい。
それぞれの想いが交錯しながら、東2局に入る。
まず仕掛けたのは今親番が落ちてしまったルイスだった。
との役牌2種類がトイツのこの手で、果敢に仕掛けていく。
も鳴けて、手が進む。ドラの中だけは重なりを見て、あとはのくっつきを残した。
ドラのが重なった……!
これで打点は担保された。無理やりホンイツに行くよりも、アガリが欲しいため、ルイスはここでを手放す判断。
この後が鳴けて、ルイスはカン8000点のテンパイに辿り着く。
親の朝陽も手が進む。場況の良いにをくっつけて、不十分な形であるとのシャンポンを解消。
これでイーシャンテンの形が更に良くなった。
更に形が進んで、を引き入れてのテンパイ!
これならば文句ない。で親のリャンメン先制リーチだ。