思考時間は30秒に及んだ。出した結論は、
打!オールスターの手を回った!
前原の仕掛けは、ポンと、
をでチー。最終手出しが手に関連していると考えると、ホンイツの可能性は捨てきれない。ピンズで打つと高くついてしまうこともあるだろう。また、前原の手がホンイツでなかった場合、ソウズブロックが手にある想定ならばは超のつく危険牌。
チートイツにすると、
どれも当たり得るの中から2枚は切らなければならない。仮に押すなら、一筋だけで済むを切ってくルートだろうが、テンパイしたとしてか待ち。出アガリもツモアガリも厳しいことは明白だ。
また、は前原以外の二者が攻めてきたときのために取っておきたい。園田は守備に重きを置いて、打としたのだった。
赤が3枚あるこの手。出来ることならばギリギリまで攻めたい。そんな気持ちをおさえつつ、自分を信じてここは園田、受けに回った。
次の手番の和久津、
123三色のテンパイが入る。
ここはを勝負だ。
「ロン」
前原が開けた手牌は、
ピンズのホンイツ!第一打と第二打に巧妙に並べられたとが、ホンイツを若干カモフラージュしているのがわかる。
だが、園田は決して惑わされなかった。防御魔法を唱えた園田はガッチリ2着をキープして、トップ目前原が親番である東4局を迎える。
魔法その3
リーチ
7巡目の園田、
「リーチ」
みんなが知っている、シンプルで強いこの魔法。ここでをツモることが出来たらトップへの道が開けてくる。
このリーチを受けた前原、
いい形のイーシャンテンだったところにを持ってくる。
考え抜いた末、切った牌は、
だ!手を崩して守りにまわった!!
リャンメン二つのイーシャンテンではあるが、テンパイするには今持ってきたとソウズの計2枚は押さないといけない。それだけではなく、イーシャンテンの段階で危険牌を持ってきたら押さなければいけない枚数はさらに増えてしまう。また、前原が欲しいとは、そこそこ場に切れてきている。点棒状況的にも、2着目である園田に放銃してしまうのは出来ることなら避けたい。
勝負とみるや全てを粉砕するかのごとく押していく、というイメージもある前原。かたや、ここで見せた、諸々の要素を考慮した冷静沈着なオリ判断は、実に素晴らしいと感じた。
和久津の選択も難しい。
前巡にを切って、ピンズでヘッドを作りにいった和久津。ここでを引いてくる。
渋い表情からもわかるように、これは嬉しくないテンパイだ。どうする…
和久津が切ったのは、
だ!上家・園田のリーチにマンズは比較的通りそうだ。マンズ部分をほぐしつつアタマを求める構想だ。567の三色の目もある。
次に和久津が持ってきたのは、
!テンパイだ。ここでもいくつか選択肢があるが、
和久津は切りダマ!タンピンドラドラで最低でも満貫が確定。ならタンピン三色ドラドラでハネマンだ。打点を見据えつつ、和久津がダマならリーチ者の河を見てが打たれることもあるだろう、と睨んだ一打だ。
だが、はなかなか姿を見せない。園田もをツモれない。
和久津が持ってきたのは、
…待ちに受け変えるか…
悩みながらも和久津は、
を置いた!リーチよりもダマの方がアガリがあるという判断だろう。
アガるのは、園田か、和久津か…
結果は、
流局だ。園田のリーチ魔法は不発に終わる。勝負は南場へと移っていく。
南1局は、和久津が黒沢から8000は8300の出アガリ。
そして、南2局、