魔王・佐々木寿人の
暴力的三倍満!
災難に負けず
2着を目指した選手たち
文・東川亮【木曜担当ライター】2021年2月18日
大和証券Mリーグ。
2/18の第2回戦は各チームのドラフト1位3名に、KADOKAWAサクラナイツのポイントゲッター・堀慎吾という組み合わせとなった。
各チームを代表する強者同士の戦いで、終盤まで誰が勝つか分からない、緊迫した好ゲームが期待できる。
・・・その考えは、東2局に巻き起こった大嵐によって吹き飛んだ。
2月18日 第2回戦
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
それは、魔界の扉が開いた瞬間だった。
東2局、寿人の親番。
配牌でドラのダブがトイツ、赤も1枚あるところに第1ツモでを暗刻にした。
すでに親のハネ満・18000点の材料がそろっているイーシャンテンである。
少々時間がかかったものの、6巡目に待ちでテンパイ。
この巡目でヤミテン18000はあまりに強烈…
「リーチ」
!?
曲げ・・・た・・・?
確かに、既に6翻あるところからリーチをしてツモれば倍満で8000オールである。
また、親がリーチを打つことでまわりに好きにやらせないようにする効果もあるだろう。
手が整いきっていない相手をオロせれば、あとは一人旅だ。
ただ、リーチをすれば当然周りの警戒は高まり、アガリ率は下がる。
この手は何としてもアガリたい手ではないのか?
アガリやすさを見てヤミテンにしたくなりそうなところで一切の躊躇なくリーチを宣言できるのが、佐々木寿人という打ち手のすごさだ。
リーチ宣言牌のを多井がチー。
多井としては、何とかこのリーチをさばきたい。
二つ目も仕掛け、待ちのテンパイ。
3メンチャンでは寿人の現物、これなら十分戦える。
そんな仕掛けなどどこ吹く風の寿人、ツモったを当然の暗槓。
リーチダブドラ4のハネ満が可視化され、周りは超警戒態勢だ。
新ドラが・・・?
寿人に3枚乗った!
見ている我々に戦慄が走った瞬間、
刹那の出来事、他3者は守備を考える間もなかった。
リーチツモ嶺上開花ダブドラ7赤、13翻で三倍満の12000オール!
こちらも思考がついていかない。
なお、13翻以上のアガリは数え役満とするルールが一般的だが、Mリーグルール第6章第6条によると役満以外のアガリは三倍満が上限となることが定められている。
「魔王」と称される男による、まさに打点の暴力。
しかし、一度上がった火の手はこれだけにとどまらない。
次局、ここからを切る。