Mリーグドラフト2021、TEAM雷電の獲得選手は? 高柳寛哉監督・直撃インタビュー
4シーズン目のMリーグを控え、各チームが選手獲得を行うドラフト会議が8月上旬に予定されている。昨シーズンはKADOKAWAサクラナイツが堀慎吾を獲得したのみに終わったが、今シーズンは既存選手の契約満了、それによって選手枠が空いたことで、開催前から大きな注目を集めることとなった。
果たしてドラフトでの指名権を持つチームは、どのような戦略を練っているのか。今回は4人目の選手獲得を明言したTEAM雷電・高柳寛哉監督を直撃し、お話を伺った。
-まず、4人目の選手を獲得しようと思われた一番の理由からお聞かせください。
TEAM雷電は3年間入れ替えも追加もせずに同じメンバーで戦ってきましたが、それで結果を残せなかったことが一番の理由です。やはり何かが足りていないのだと思いますし、ファンの皆様からも選手補強を望む声が多く聞かれましたので、今回のドラフトで4人目獲得を決断しました。またEX風林火山さんが早々に来期の選手を追加、4人体制を表明したことで、ウチもMリーグ発展のために4人体制にすべきかなと背中を押された部分もあります。
-獲得する選手についてお伺いします。TEAM雷電はMリーグの中でも門前で重厚な手作りをして高打点を狙うという、非常に特色のはっきりしたチームだと思います。新しく獲る選手も同様のカラーの方を考えているのでしょうか。また、年齢・実績・性別などはどの程度考慮されますか。
まず年齢に関して言うと、厳密に何歳以下など決めているわけではありませんが、現在のチーム平均年齢は結構高め(1人年齢不詳ですが、、)なので、将来を見据えてもチームとして若返りを図ったほうがいいという考えはあります。
実績面については、今回の一番の補強理由が戦力強化であることから、実績を含めて「強さ」は重要な要素です。実績だけで判断はせず、即戦力となり得る人材を考えています。
性別に関しては特に決めていません。私個人的には性別よりも性格や人間性の部分をかなり重視しているので、そこが伴っていれば男性でも女性でも構いません。
最後に麻雀のスタイル、雷電のカラーという点についてですが、勝ち負けは言わずもがな最優先ではあるものの、やはり雷電のキャッチコピーである「面白い麻雀」「魅せる麻雀」、これは築いてきた大切なチームカラーだし、そこにフィットするかも大きな要素になると考えています。
ただ、「『面白い麻雀』の定義って何?」ということもあります。結果的にウチの3選手は門前思考、鳴かないスタイルを持っている選手たちで、必然的に打点も高くなるし、それを面白いと感じてくださっている方も多いと思っています。でも、仕掛けが多いとか門前だからとかで、麻雀の面白さは区別されるようなものではありません。仕掛けや門前、両方をうまく活用しながら面白い麻雀を作りあげる選手もいると思うので、総合的に見て面白いと思われる麻雀を打つ選手を選ぶ、ということです。
強いて言うなら、ウチのチームには「高打点の麻雀を目指す」というベースがあります。迷ったときは高打点の方を選んでいこうというのは、私も含めていつも言っているポリシーみたいなものですし、それが見ている人からしても面白い麻雀になっていくと思いますので、そういう志向がある選手を獲りたいという思いはあります。
-3選手、そして高柳監督も日本プロ麻雀連盟の所属です。「連盟縛り」という言葉もありますが、獲得選手の所属団体についてはいかがでしょうか。
特定の団体からしか獲らないと決めるようなことはありません。ただ、TEAM雷電はチームワークがいい、仲が良さそうとおっしゃっていただけることがよくありますし、そこは私もすごく大事にしているところです。チームの雰囲気を作りあげる上で今いる3選手との相性、かみ合わせのようなところは配慮したいと思っていて、そこを考えると同じ団体である連盟から選ぶことになっていくのかもしれませんが、他の団体であってもそこがクリアできる選手がいれば、当然指名候補になります。
-シーズンオフには、4選手(前原雄大・藤崎智・和久津晶・滝沢和典)が所属チームを離れました。これらの選手の獲得もお考えでしょうか。
我々の条件に合致しているのであれば、もちろん候補に挙がります。あとはその他の候補者と比較してどうかです。
-たくさんの候補者がいたと思いますが、今の時点(取材日・7月14日)では、どのくらいまで絞り込まれているのでしょうか。
2、3人くらいまで厳選しました。どの選手も、私が挙げた世代や実績、人間性の部分などで、条件を満たしていると思います。
選手選考に関しては、チームのメンバーからは候補選手の情報をもらっていますし、ファンのみなさんからの声も参考になりました。ですが選手もファンのみなさんも、一人ひとり考えは違います。それらを全てクリアしようとすると収拾がつかなくなるので、最後は総合的に判断して、私が決めます。
-オフシーズンにはEX風林火山がドラフト会議指名選手オーディションを行っており、対局もチェックできますが、参考にはされましたか。
個人的にはあまり見られていなくて、結果を追う程度でした。直接的には参考にせず、独自の選考をしていました。
-ちなみに、高柳監督ご自身の名前は、候補選手としてピックアップされたのでしょうか。
いえいえ、私は若くもないですし実力的にもまだまだで、先に挙げた条件に合致しません。自分は引き続き監督としてチームをまとめあげていきます。
-最後に、ファンの方へのメッセージをいただけますか。
まずは、3年間応援してくださっていたファンの方々には、結果を残せずに悔しい思い、悲しい思いをさせてしまったと思っています。そこは反省していますし、何とかしなければいけない部分だと思っています。その思いも込めての今回のドラフトだと思っていますし、ファンのみなさんの期待に応えたいという強い使命感を持って、ドラフトに臨もうと思っています。
ドラフトを経て、4人体制の「新生・TEAM雷電」で来シーズンに臨みます。加入する4人目の選手がみなさんにどう思われるかは個人個人によって違うと思いますが、みなさんが雷電に期待する麻雀をお見せできる、獲って良かったと思える選手を獲ろうと思っていますので、どういう選手が来てどういう体制になったとしても、引き続き応援をしていただけましたら幸いです。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。