【徹底分析!】
不可解なオーラス
卓上で何が起こったのか
文・ZERO【火曜担当ライター】2021年12月14日
一昨日書いた、最強戦ファイナルの記事がものすごい勢いで読まれている。
キンマ観戦記の中でのPV数も最多記録だという。
とはいえ私の力なんて微々たるもので、対局内容がアッチアチだったからに他ならない。
こういう盛り上がった対局は、ひねることなく見たまま書くに限る。
自分が受けた感動は、必ず読者に伝わるからだ。
逆に、観戦記者泣かせの半荘もある。
この夜の対局がそうだった。
盛り上がるはずのオーラス、手牌がぶつかり合うこともなく、3者ノーテンで終局となったのだ。各選手の選択が不可解だと不満を持つ視聴者も多い。
そこで本日は趣向を変え、オーラスに何が起こったのか分析したものをメインにお届けしていく。
オーラスまでは駆け足で見ていこう。
重量級のメンツが揃った。
さらに言うと、フェニックス、ドリブンズ、雷電の3チームは下位を形成するチームであり、折返しを迎えようとするここらで上昇のきっかけを掴みたいところだ。
■相手を警戒する土壌が育つ
まずは親の近藤がをポン。↓
かなり苦しい形だが、鳴かないともっと苦しい。
それでも近藤ならスルーして耐えるルートを進むことが多い気がする。
周りも(は2鳴きっぽいけど、近藤さんだから打点が伴っていることもあるな)と考えたに違いない。
そして仕掛けた近藤の上家に座るのが萩原。↓
ドラと赤が押し寄せている。
萩原はツモってきたをそのまま切った。
数巡後…
テンパイを入れていた近藤がドラを掴み、すっとを抜いて回る。
これは(警戒される私の親の仕掛けに対し、を押してきた萩原は異常。ドラのは切れない)という確信に近い読みがあったからである。
また、待ち選択も周りから見て最も警戒すべき萩原の現物()に受けていたあたりも面白い。
このように高打点を作って攻める4人が揃うと、相手の攻めを警戒して重苦しい展開になりがちである。相手の手牌をリスペクトする土壌が育っていると言え、これはオーラスへの伏線となるのだ。
この局は、ドラのこそ鳴かせてもらえなかったものの…
もう片翼であるが鳴けて萩原が20004000のアガリ。
次局、返す刀で
リーチ・ドラ・赤の8000をアガって先制に成功。
チームメイト瀬戸熊の最強位戴冠をきっかけに、是が非でもトップを持ち帰りたい。
東3局の親・たろうもトップが欲しいのは同様である。
2巡目、たろうはここからドラのを切った。
かなりラフな切り出しである。ドラの重なりはそれなりに痛い。
しかし早々にドラを河に見せることで「早い手が入っていますよ」「いつリーチきてもおかしくないよ」とアピールできる。すると相手は安全牌を抱えての進行を余儀なくされ、場は遅くなるのだ。
そんな中で迎えたテンパイ。↓
を切ればカン待ちの12000になる。(タンヤオ三色赤2)
しかしそのが2枚切れていることもあり…
を切ってテンパイを外した。
相手が警戒しているからこそ…
このテンパイ外しが間に合う!
乾坤一擲の6000オールへ向けての盤石な3面張!