ファンのため、
チームのため、
二階堂瑠美であるため
彼女は逆境に立ち向かう
文・江嵜晋之介【月曜担当ライター】2022年10月10日
Mリーグ2022レギュラーシーズン5日目。
開幕からあっという間に1週間が経ち、再びMリーグのある平日が日常となりつつある。
本日1試合目の対戦カードは奇しくも「初戦でトップを取った2名」vs「初戦でラスを引いた2名」という構図となった。
初戦でトップを取ったのは園田と日向。
対してラスでのスタートとなったのは本田と瑠美だ。
瑠美は既に3回目の出場となり、2連続ラスと辛い立ち上がりとなっている。まだ序盤とはいえ、早くトップを取ってチーム・サポーターを安心させたいところだ。
第1回戦
東家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
南家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
西家:本田朋広(TEAM雷電)
北家:二階堂瑠美(EX風林火山)
東場ではそれぞれ1回ずつツモアガリを決める。
東1局には親番の園田が4,000オール。
東2局3本場に瑠美が1,000、2,000は1,300、2,300。
東3局1本場では日向が2,000、4,000。
東4局では本田が2,000、4,000をツモアガる。
南場に入ったときのスコアがこちら。
4名とも放銃はなく、アガり回数は同じにもかかわらず、瑠美は1人2万点を切るラス目。アガりの打点が瑠美だけ満貫に届かず、さらに親番では満貫の親被りとなったため他と差が開いてしまっている。
点数はまだ僅差ではあるものの、東場で瑠美は終始つらい展開に苛まれていた。
遡ること東2局。
まず巡目に日向が待ちでリーチ。
続いて本田がをチーして形式テンパイを入れる。
そしてハイテイに手番が回ってきた瑠美の安牌が尽きる。
日向・本田それぞれに通りそうな牌はあるものの、2人に安全な牌が無い。この苦境に、瑠美は珍しく大長考する。その時間は116秒。
瑠美は開幕早々2回のラスを取っている。
長いレギュラーシーズンで考えれば2回のラスなど大したことはないのはわかっている。わかってはいるがどうしても裏目を引いた光景が脳裏に過ぎる…。
いつも穏やかな瑠美から、苦悶の表情が滲み出る。
大長考の末、瑠美は暗刻のをそっと一枚切った。
結果は流局。当たり牌ではないとわかった瞬間、瑠美は安心したかのように小さく頷く。
瑠美の手牌の中には、日向・本田の当たり牌が6枚も含まれていた。ギリギリのところで、最悪の自体を躱す。
点数が大きく動きながらも、結果として僅差で南入する。
勝負の分かれ目となったのは南入してすぐだった。
南1局
東1局と同様に、親番の園田に好配牌が入った。