逆境とは【Mリーグ2022-23観戦記3／7】担当記者：越野智紀

逆境とは

文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年3月7日

第2試合

東家：松ヶ瀬隆弥（EX風林火山）
南家：萩原聖人（TEAM RAIDEN / 雷電）
西家：堀慎吾（KADOKAWAサクラナイツ）
北家：松本吉弘（渋谷ABEMAS）

逆境とは、全てが思いどおりにいかない不運な境遇のことをいう…と、どこかで聞いたことがあります。

Mリーグでいうと、レギュラーシーズン６〜８位のチームは逆境の中にいると考えてもよさそうです。
下位のチームはお互い狙い狙われの間柄になり、かなり不利な状態と言えるでしょう。

その日に試合の無い４チームも試合の結果が気になってくるのがレギュラーシーズン終盤戦。
心清らかにいたいものですが、自チームのために都合の良い勝敗を祈ってしまうのは仕方の無いことだと思います。人間だもの。

１試合目終わっての結果がこちら。
サクラナイツは岡田紗佳選手が+95.7のトップを取り泥沼のセミファイナル争いから抜け出すことに成功したため、本日観戦組の７位ドリブンズと８位フェニックスは雷電の結果に一喜一憂する試合となりました。

東１局

イーシャンテンの堀選手。
フラットな場況ならを切ってピンズの４連形とのくっつきを残したいところでしたが

下家の松本選手がピンズのホンイツ模様です。
鳴かれるリスクもありましたが

堀選手は切り。
これは単純なテンパイへの受け入れ枚数よりも、テンパイした後のアガリやすさを重視した選択です。

そのを松本選手がポンしてイーシャンテン。

これでピンズくっつきの松本選手vsマンズソーズくっつきの堀選手の真っ向勝負。

…そうなるかと思いきや、その僅かな間に割って入ってきたのが親の松ヶ瀬選手。
をポンしてのリャンメンターツを払った松本選手の手順から、まずドラは固まっていないだろうと想定すると

字牌担当として登場しました。
松本選手のポンの際に

手牌の左からと並んで置かれていたことで、相方のも悪くないんじゃないかと少しテンションを高めていました。

親のリーチとピンズの仕掛けに挟まれた萩原選手はソーズで受けに回ると

追いついた堀選手はの変則三面待ちに受けず、リーチの現物待ちのカンを選択。
萩原選手が撤退した先に伏兵を配置しました。

囲まれた萩原選手。
切りでダマテンもあると感じて堀選手への危険牌を先切りせず、共通安全牌を切って粘っていると

松ヶ瀬選手がドラので6,000オールのアガリ。
萩原選手的には不幸中の幸いといったところで、本日も上位のチームが好スタートを決めました。

東３局

ここまで他家のツモアガリとノーテン罰符で４局連続の失点となっていた堀選手が親番で抵抗。

ドラ無し赤無しの手で第一打にトイツの切りを選択し、タンヤオに向かったのですが

真の狙いはこちら。
のトイツ落とし見せつけプレイです。
仕掛けても高い時には油断させ、リーチ前提の仕掛ける価値の無い手は警戒してもらうのが堀選手の基本的な戦略。
今回は相手に目一杯警戒してもらい安全牌を抱えてもらって進行を遅らせたいタイプの手牌なので、時間の猶予を作ってリーチを打つプランでした。