なぜトーナメントは
面白いのか
2023年8月6日 FINAL STAGE 文・越野智紀
Mリーガー32名と団体推薦者20名が集結して始まった個人トーナメント戦・Mトーナメント2023も残るは4名。
同じユニフォームを着て決勝に残ったのは
団体推薦を受けた石立岳大と
坂本大志の2人でした。
白いユニの非Mリーガーの活躍はMトーナメントを盛り上げた要因の一つで、その2人を迎え撃つのは
EX風林火山の二階堂瑠美。
Mリーガーの2人は普段と変わらず落ち着いた雰囲気で登場しました。
決勝もMリーグルール2回戦で優勝が決まる短期戦。
初戦でラスを引くと2戦目は並びを作ってのトップという厳しい条件になるため、これまでの2人勝ち抜けとはバランスの取り方が変わってきそうなところ
1回戦
いきなり坂本に分岐点が現れました。
なら文句無しのタンヤオ・ピンフ・三色のリーチで、ツモればハネマンからの大物手でしたが
瑠美から打たれた
これを渋々ロン。
リーチ・ピンフの2,000点はだいぶ不満な結果で
無傷の2人だけでなく、放銃した瑠美も満足気な表情を見せています。
リーチに対して押してくる相手がいるなら見逃すのは危険すぎると、冷静に対処した坂本。
初戦にラスを引くことだけは避けたいとあって、決勝1戦目はリスクを抑える狙いにも見えました。
対象的だったのが同じ白いユニの石立。
渋川のリーチと、瑠美の仕掛け。
すでに2人の戦いが始まっていたところに
現物のは切らず、両方に危険なと切っていきます。
常識にとらわれず柔軟に卓内の最適解を探しだす、卓上のトレジャーハンターこと石立岳大。
決勝でも積極的に参加するスタイルは変わらず自分の麻雀を見せていました。
登場人物全員押人の作品が上映されたことを確認した坂本は速やかに撤収。
石立は宝の匂いを嗅ぎとれば危険に身を晒すことも厭わず
無筋→無筋→現物の順番に並ぶ、やる気に満ち溢れたリーチを放ちます。
追いつかれた渋川が一発でドラのを掴んでこの世の終わりを覚悟するも、
同時に発せられた「ロン」の声に目を細めます。
目の前でお宝を攫われた石立の手牌は寂しそうにコンパクトに伏せられ、頭ハネで瑠美が2,000点のアガリを奪いました。
決勝戦では相手に大物手をアガらせないことも大事と、かわし手をサボらない瑠美。
体に染み付いていた決勝での戦い方を見せ、順調に局を進めていきました。