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文・ゆうせー【金曜臨時ライター】2024年3月29日
勝又健志は強い。
今季、Tier表という選手のランキング表が流行ったが、私が作るなら勝又は間違いなく最上位の「S 」だ。
単純な成績だけでなく、チームを支える存在としても本当に大きい。
「勝又がいてくれてよかった」という場面が、今までEX風林火山に何度あったことか。
今シーズンも、
激戦の6位攻防戦を制することが出来たのは、ここまで300以上もプラスしている勝又の活躍あってこそだ。
そして、そんな“軍師”勝又健志が、
31700点トップ条件のMVP獲得へ向けて、最後の一戦へと向かっていった。
第2試合
東家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:猿川真寿(BEAST Japanext)
西家:勝又健志(EX風林火山)
北家:浅見真紀(赤坂ドリブンズ)
私が驚愕したのは、東1局中盤のことだった。
勝又は、
を持ってきて、
少し考えたあとで、
に手をやり、
戻し、
を選ぼうとして、
結局、
を切った。
勝又の手が、牌の間を行ったり来たりすることは極めて珍しい。
もちろん、理由はある。
対面で仕掛けている渋川のツモ切りが続いてテンパイの可能性が上がり、両脇が無筋を通したことでで放銃する危険がそれなりにあると考えたのだろう。
それにしても、勝又のこういうアクションは私の記憶を辿ってもなかなか思い出せない。
それだけ、勝又の胸には期するものがあったのではないだろうか。
1戦目のインタビューのあとは、
「いつも通りトップは狙います。ただ、2着キープをするかもしれません」
と模範的な受け答えをしていた勝又。
もちろん、どう思っていたかは本人にしか分からないことだが、MVPを獲りたい気持ちが垣間見えた瞬間だと私は感じた。
この局は、
カンチャンリーチをツモアガリ!
この2000-4000で勝又は暫定MVPに。
さらに東3局の親番では、
態勢が整っていると見て、トップ目の親でもカンして心を決めて、
浅見のリーチが入っても、
をポンして、鬼無筋のを勝負!
浅見から、勝又怒りの7700(怒ってはいない)をアガり、これで持ち点は40000点を超え、いよいよMVPに手が届くところまでやってきた。
──勝又を応援する者は歓喜し、
一方で、暫定個人1位にいる優を応援する者は、胸に広がっていく「重さ」を感じていた。