75%の大切さ
竹内元太
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2024年12月9日
まだ竹内元太がMリーガーになる前のこと。
竹内に麻雀を教えてもらっている時に、教えられ、鮮明に覚えている事がある。
「和了率ってだいたいどれくらいか分かる?」
「20%強……ですよね?」
「そうだね。じゃああとの75%は、自分がアガれない局ってことになるよね」
そう言われて、当たり前のことのはずなのに、何故かその事実をちゃんと認識していなかった事を自覚した。
「アガるために何をするべきかはもちろん大事だけど。75%にあたる、自分がアガれない局に何をするべきかも、同じくらい大事なんだよ」
普段はお茶らけていて、話すことも適当なくせして、麻雀の話になると人が変わったように真剣な表情になる。
そんな竹内のことを、素直にカッコ良いなと思った。
そして竹内元太は今、あの時と変わらぬ真剣な表情のまま。
Mリーグの舞台で腕を振っている。
12月9日 第1試合
東家 竹内元太 (セガサミーフェニックス)
南家 萩原聖人 (TEAM 雷電)
西家 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
東2局
まずは親の萩原の選択が面白い。
赤が2枚あるこの形から萩原が選んだのは
だった。
が既に1枚場に出ている上、マンズが全体的に重い。
良さげなペンターツを残しつつ、赤は最悪出て行っても良いという構え。
これが功を奏する。
、と引き入れてテンパイ。赤がどちらも出て行ってしまうのは悲しいが、萩原の代名詞三色のテンパイだ。
ツモれば4000オールから。
これをしっかりと仕上げてみせた。
内川の追っかけリーチを受けるも、終盤で見事ツモアガリ。
4000オールで前に出る。
東2局1本場
竹内に良い手が入った。
はツモ切り。
カンにわざわざする必要はなく、からのターツを作って、ピンズ2度受け部分の解消を狙っていく。
狙い通りを引き入れて切り。
これでターツの種は揃った。
、と引き入れてリーチへ。
の三面張が残るのは好感触。
しかしこれが簡単には決まらない。
親の萩原、たろうと立て続けにリーチが入り、3人リーチへ。
竹内の長い腕がしなる。
序盤の勝負所だ。
決着は、たろうが竹内に放銃という形でついた。
5200のアガリで、竹内がトップ目萩原を追いかける。
東3局に竹内らしさのある選択が見れた。