ボーダーラインをめぐる死闘！
白鳥翔、ABEMAS奇跡の復活を果たす立役者へ
文・高倉拓馬【火曜担当ライター】2025年1月28日
第2試合
東家：白鳥翔（渋谷ABEMAS）
南家：岡田紗佳（KADOKAWAサクラナイツ）
西家：瀬戸熊直樹（TEAM RAIDEN/雷電）
北家：二階堂亜樹（EX風林火山）
2024-25レギュラーシーズンは全チームが3分の2を消化した。
雷電が第一試合で4着を引いたため、第二試合は5位から8位というボーダーラインをめぐるまさに死闘。
ABEMAS、風林火山のいずれかがトップを取れば、今日でボーダーとなる6位が入れ替わる可能性がある。
ABEMASからは、チームのポイントゲッターである白鳥が出場。個人10勝まで目前に来ている立ち位置だ。
今シーズン、ABEMASは一度も6位に足を踏み入れたことがない。チームの復調を待つファンのために、ポイントを持ち帰ることが出来るか。
風林火山からは亜樹。
今月は3連勝中。第1試合も勝利を収めている。
第2試合は、この好調な2人による熾烈なトップ争いとなった。
…が、東場はかわし手の応酬が続く。
東1局
いつになく大きな瀬戸熊の「リーチ」という発声で、東1局がスタートした。
雷電はボーダーラインからまだ200ポイントほど離れているとはいえ、この直接対決で負けるのは勘弁だ。
第1試合の結果もあってか、瀬戸熊の気迫が伝わってくる。
だが、岡田はその気迫に負けず、3面張+両面のイーシャンテンから、一発目に無筋の
をプッシュしていく。
そして、瀬戸熊の現物だった
をポンしてテンパイに取り、
瀬戸熊から打ち取って1000点。
本手を成就させる隙を与えない。
その後は岡田が2局連続でリーチを打つものの、
それぞれ白鳥、
そして亜樹が、2000点でかわしていく。
トップを取ることが重要なMリーグルール。
低打点では相手を出し抜くことが出来ないためかわし手は一見意味を持たないように見えるかもしれない。
しかし勝負手を決められてしまってはかえって出し抜かれてしまう。
打点が低くても、仕掛けないとアガリ率が極端に下がってしまうのならば、仕掛けたほうがマシな場面は多く存在するのだ。
かわし手となった局で私が一番注目したのは東4局1本場、白鳥の手牌。
2枚目のカンをチーして三色に向かっている。
いわゆる「片アガリ」や「ペン
」などと言われるこの形に、抵抗感のある打ち手も多いのではないか。
門前としてみても両面が二つ残っていてまだリーチを打つことは出来そうにも見える。
だがこの手は門前にしたところでドラがなく、リーチのみになる可能性がそこそこ高い。
三色を成就させるためには2枚切れのカンを自力で埋めなければならず、それならばこの手をかわし手にした方が良いという判断だ。
この状況から1000点をあがって状況が好転するのか？という疑問がわくかもしれないが、
「自分のアガリ率を下げる＝状況が悪化する可能性が上がる」
というように捉えれば、現状維持で局を消化できる1000点の価値は充分あると言えるだろう。
結果は300-500のツモ。
素晴らしい捌きの判断だった。
結局、東場の最高打点は2900。かわし手の応酬で、接戦の南場を迎える。
先に突き抜けたのは白鳥。
南1局、白鳥はダマテンで4000オールをツモ。
南3局1本場には亜樹が続く。
