黒沢咲の長いオーラス
文・中野巧【火曜担当ライター】2026年4月14日
第1試合
東家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
南家:黒沢 咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:下石戟(BEAST X)
北家:佐々木寿人(KONAMI 麻雀格闘倶楽部)
■”強気のヴィーナス”黒沢の手順
東2局、親番の黒沢は役なしカン
でテンパイするも「まだ焦るときではない」と、ダマテンに。その後、
を引き、リャンメン待ちに変化しリーチ。この黒沢の手順に山が応え、ドラの
を一発ツモ、4000オールのアガリになる。もしあのとき、親でテンパイだし、
もあるからと即リーチをしていたらアガリがあったかどうかわからない。裏ドラもないため4000オールの手順はこれしかないのだ。今日は黒沢中心に局が進む、そう思わせるアガリだった。
連荘で迎えた東2局1本場。ここでも黒沢に手が入る。高目三色のメンタンピン赤を即リーチとして、高目かつ赤牌をツモる。これで8000オール、試合を決定づけるアガリだ。よく見るとリーチ後の一発目に
をツモっており、特技である「赤牌引き」がさく裂している。もうみなが「黒沢の日」だという確信を持ち始めた。
■一方で”魔王”寿人は
寿人は不調だった。東3局時点で持ち点は2800。手は入っているものの、相手の手とぶつかり放銃となってしまう。その結果マイナスが大きくなる、いわゆる「半ヅキ」の状態に思われた。
しかし、寿人は親番になると、先ほどまでの半ヅキ状態を抜け出し、どんどんとアガリを量産する。私も麻雀打ちとして、この半ヅキ状態を意図的に抜け出す方法はわからない。ただ、寿人の変わらない摸打からは「そんな状態はない」とでも言っているようだ。
その勢いは止まらず、ついにはもともと6万点ほどの点差があった黒沢を逆転する。4本場でもドラの
をポンして、
単騎のテンパイ。これがアガれたらなんでもありの状態になるだろう。誰も手をつけられない。
しかし、ここで黒沢のダマテンが決まる。最初から好調だった黒沢が、寿人の怒涛の追い上げを制止した。
調子そのまま、黒沢がアガリを重ねて再び寿人に点差をつけて、オーラスを迎える。
■長い長いオーラス
寿人はトップとは2万点以上の差があり、たいていの試合はこの局がすんなり流れて終了となる。なぜなら黒沢はもちろん太、下石はこれ以上マイナスしないために、どんな点数であってもアガリにくるからだ。反対にいえば、寿人はリーチさえかけることができれば、3者は親と争ってまではアガリを優先しないため、連荘は続く。
7巡目に寿人は即リーチ。これで3名の手は止まるだろう、そう思っていたが、親に歯向かう者が1人。
黒沢だ。
まだテンパイもしておらず、愚形も残っているが無筋の
、テンパイ打牌の
と押していく。3月27日の第1試合でも黒沢はオーラスに勝負をして、自らの手でトップを決めた。ここまでは、その日の再現かと思われた。
しかし、結果は手詰まりした下石から
が打たれ、ダブロン・・・とはならず頭ハネで寿人のアガリとなる。ここからが黒沢、雷電ファン(通称ユニバース)にとっては長いオーラスの幕開けとなる。
寿人が1500は1800を黒沢から直撃し、1回流局を挟んだ3本場。トップとの差は1万点以内に迫る。このとき黒沢の立場は圧倒的に優位な状況なのに、自分だけでなく太、下石のアガリが遠く、追い詰められたように感じ始めても不思議ではない。むしろそう感じる人の方が圧倒的に多い。
追い打ちをかけるように寿人から先制リーチ。客観視すると、点数では黒沢が上だからと思うが、全然違う。卓についている人は「大体このリーチもアガるんだろうな」と感じるだろう。もうこの場は寿人が支配している、競っている黒沢の立場ではよりそれを強く感じる。しかし、寿人はアガれず、流局となった。序盤から好調でなかった差なのか。
迎えた4本場。寿人は1シャンテン、ドラ赤と打点もある手で、本人は逆転するだろうと信じていたはずだ。しかし、冷静に振り返ると先ほどのリーチがアガれなかったのが気がかりだ。自分がトップを逆転して、迎えていてもおかしくなかったのだ。ただ手はいい、なかなかこの違和感に気づくことは難しいだろう。
結果は黒沢のタンヤオのみのヤミテンが寿人の4sを捉え、長いオーラスは黒沢のトップで幕を閉じる。
常にハラハラさせてくれる雷電、黒沢のトップで5位に浮上した。雷電はこのままファイナルに進出し、待望の優勝でユニバース全員と一緒に泣けるだろうか。
今日、黒沢がトップを獲ると確信したのは南3局だった。手を緩めない姿勢を感じたのであるが、ご興味がある方はこちらからご覧いただければと思う。
https://abema.tv/channels/mahjong/slots/AU58rBkzCYGJSB














