麻雀番組で強くなれ【第10回】堀慎吾

その10 安易にオリを選択するな

覚えている方がいるかはわかりませんが、前回はオリの話をしました。
しかし、麻雀はやはりオリてばかりでは勝てません。今回は、オリそうな状況でも、簡単にオリるな!という話をしたいと思います。
それでは早速こちらの画像をご覧ください。


「鋭い攻めが持ち味」の新Mリーガーの堀慎吾選手。親の勝又選手がドラのをポンした瞬間に切ったこの、チーしたでしょうか、しなかったでしょうか?理由とともに考えてみてください。

 

解答

 

チーして打

解説
親の勝又選手がドラポン。そして自分はトップ目で、手にメンツは一つもありません。
普通に考えれば、ここはもう戦う価値なし!ベタオリ!!となることでしょう。
しかし、ここで簡単にベタオリして4000オール!と引かれると、トップを逆転されてしまいます。
つまりオリることは簡単ですが、できれば和了ってこのドラポンを潰したい!という状況なのです。
さて、それをふまえてもう一度図を見てみましょう。

まず勝又選手の仕掛けですが、ドラポンはしているけれど、テンパイしているかどうか?については正直分かりません。
何故ならドラのというものはどんなにバラバラだろうと、絶対にポンする牌です。つまり、この仕掛けはバラバラからテンパイまでなんでもあり得るということでもあります。
そして、堀選手の手を改めて見ると、メンツこそないものの形はできているので、上手くチー!チー!としてサクッと和了れる可能性も秘めています。

さらにもう一段階考えると、このをチーしてを切っても勝又選手の安全牌は無くなるわけではありません。まずが現物、そしてもほぼ通りそう、そしても、の筒子の切り順を見る限り、かなり通りそうに見えます。(が当たるならですが、その場合からを先に切ってにしていることになる。ドラ対子でその先切りは考えにくいため)
ということで、比較的安全は確保できているので、和了れる可能性は低いながらも、ここは諦めずにチー!となりました。
そしてこの後が大事なのですが、チーしたからと言って何でも押すわけではありません。
あくまで狙いは、「放銃はしたくないけど、運が良ければ和了れるといいな」です。を鳴いて前進はするけど、守備的に進めるというわけです。
親のドラポンが入ると、条件反射でオリる人も多いと思いますし、もちろん基本はそれが正解でしょう。
しかし今回のように、ギリギリまで和了を諦めない気持ちも大事です。
見ている人は、もう勝又選手テンパイなのに今更チー?と思うかもしれませんが、打っている側は相手の手の進行と自分の手のバランスを取り、得になることをしよう!とやっているのです。
ちなみにこの局の結末は、このようなものでした。


対面からが出て満貫のアガリ。

諦めなければ、こんなこともあるのです。
そしてこの局、堀選手は危険牌をほとんど切ることはありませんでした。
この進行は参考になると思うので、是非見返してみると良いでしょう。
それではまた!

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