誕生日の貴公子を喰らってーー
浅見真紀、今季初トップ
文・虫かご【金曜担当ライター】2025年10月3日
厳しかった夏もようやく終わり、すっかり秋めいてきたが、ここMリーグスタジオでは相変わらずアツい戦いが繰り広げられている。
10月3日(金)。「黒卓」こと麻雀LIVEチャンネルの第一試合では、この4選手が相まみえた。

第1試合
東家:本田朋広(TEAM RAIDEN/雷電)
北家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
そしてこちらが、昨日2日(木)の試合を終えた時点での順位表。

ご覧の通り本日の黒卓は、原点付近に位置する3位から6位までの直接対決だ。まだレギュラーシーズンの約10分の1を消化しただけとはいえ、昨季のABEMASのように、序盤の出遅れはボディブローのようにじわじわと効いてくる。できるだけ有利なポジションで普段通りのバランスで打てるよう、上位を目指したいところだ。
ちなみに、この日は本田の誕生日。麻雀の神様からバースデープレゼントを授かれるか。

そして、迎え撃つ浅見は「ほん田」というお店でラーメンを食べてから対局に向かったそう。上家のバースデーボーイを食らうことができるか、こちらも注目が集まる。
ほん田さん
お誕生日おめでとうございました!㊗️ pic.twitter.com/oPP3vWD8Yf— 浅見真紀 (@makimakinncho) October 3, 2025
そして、本日の解説には麻将連合の忍田幸夫プロ。余談だが、私は小林未沙・忍田幸夫コンビが、Mリーグの実況解説で一番好きだ。小林さんの正確でテンポの良い実況に、忍田プロの自由でお茶目な解説が乗っかり、それをまた小林さんが笑いながら楽しんでいる様子が、なんとも心地よい。今シーズンもこのコンビをできるだけ多く拝見したいものだ。

貴公子を喰らいつくせ
さて、開局してスタートダッシュを決めたのはドリブンズの浅見だった。
東1局。親の本田が123の三色を見据えて、場に3枚目のをチー。ペン
待ちのテンパイをいれる。

対する浅見も、手中に赤2枚を収めて臨戦態勢。本田から出たをチーし、
待ちでテンパイした。

その後、流局が見えたところで本田がをつかみ、浅見に放銃。3900の和了となった。先制パンチといったところか。

東2局。親番を迎えた浅見の攻撃が止まらない。ドラのが2枚ある手牌をもらい、順調に手が育つ。岡田から出た
を本田がポンして和了に進む中、7巡目に
待ちでリーチを敢行した。

早い巡目のリーチで情報量が少なかったか。本田はつかんだをツモ切り、浅見が12000の和了となった。「『ほん田』でラーメン食べてきたから」程度では済まされないほどの直接攻撃が連続して決まり、浅見にとっては余裕のある展開となった。

チーム内でも分かれた選択
迎えた南2局0本場。浅見が2回目の親番を迎える。東場での和了ラッシュ以降、サクラナイツの岡田が連続放銃と苦しい展開になり、やや縦長の展開になっている。
浅見の配牌がこちら。東場の勢いそのままに、トップを決定づける和了が期待できそうだ。

順調にツモも入り、比較的簡単な選択を続けてテンパイまで向かうかと思った6巡目。分岐点が訪れる。
を持ってきた場面だ。

解説席の忍田プロは、345の三色への伸びを期待し、打を推奨。しかし、浅見の選択は打
だった。

これには忍田プロも「予想外」と一言。
このとき、浅見の中で三色の優先度は高くなかったという。それよりも、カンターツが解消できたとき、先に
を打ったことによる
の和了率の高さを優先したようだ。また、
や
がタテに重なったときも、
ツモでピンズが三面帳になる期待もあったと振り返った。
その2巡後。ネックだったカンをずばっと入れる。

先切りを活かしてリーチに踏み切るかと思われたが、ダマテンを選択した。

このリーチ判断については、ツモっても4000オールと十分な打点が確保されていたことを挙げたうえで、対面の岡田、上家の本田もをツモ切りそうな河をしていたと、思考を振り返っている。
結果的には、大介のリーチ宣言牌をとらえて7700の和了となった。