「しゃおら」の夜──高宮まり、ボディー麻雀を継ぐ──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/19 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

「しゃおら」の夜
──高宮まり、ボディー麻雀を
継ぐ──

文・小林正和【金曜担当ライター】2025年12月19日

第2試合

東家:高宮まりKONAMI麻雀格闘倶楽部
南家:三浦智博EARTH JETS
西家:多井隆晴渋谷ABEMAS
北家:小林剛U-NEXT Pirates

「みなさん、強いっすねー。」

試合後、2着となった三浦はそう言って笑った。

悔しさを隠すための言葉じゃない。今夜、卓上で起きたことを、そのまま素直に表した声だった。

そして、本日の解説を務めたのは、元Mリーガーの魚谷侑未。三浦とは公私ともに仲が良い。

魚谷
「こんなに負けてたら、普通の人はメンタルやられますよ。でも三浦さんは“僕、全然大丈夫ですよ!”ていう感じの頼もしい雰囲気でしたね。」

直近は捲られてのトップ失陥が続く。それでも、三浦の笑みは清々しい。

東2局


【中】を鳴いて三色・赤、親の5,800点テンパイは

鋭い仕掛けを見せた高宮まりのファインプレーに掴まり

南1局

高め三色、絶好の【1マン】【4マン】【7マン】待ちリーチも流局。思い描いた一撃は不発に終わった。

この局のファインプレー

多井隆晴

まだ4巡目ながら、ここで【9ソウ】切りとし、ドラ待ちの愚形であるカンチャンターツに固定すると

次巡の【4マン】もツモ切りへ。この2巡で、2枚分の安牌スペースを確保する。

もし、これが一つでも欠けていたら

おそらく、このリーチ一発目にやってきた高めの【1マン】は、いずれ河に放たれていただろう。

今シーズン、ここまでの放銃率はわずか7%程度。鉄壁の守備力で三浦に加点を許さず、自身もマンガン級の失点を回避したのだった。

そして、更に三浦に降りかかるのは

小林剛のファインプレーだ!

南2局

この局は、多井がリーチ・ツモ・平和・ドラ1,300・2,600のツモアガリ。高宮との熾烈なトップ争いをしている三浦へ、地味に親被りが刺さる。

しかし、本来ならば横移動で、三浦は無傷のまま終盤へ向かうはずだったのだ。

こちらをご覧いただきたい。その時のリーチを受けた小林の手牌である。

ピンズのメンホン・イーシャンテンのところにやってきたのは【9マン】。もちろん、多井への当たり牌だ。

ここは放銃まったなし!かと思われたが…

なんとアンコの【1ピン】切りとした!

よく状況を見てほしい。

僅差ながら自身はラス目であり、一発放銃という偶然役は解消されている。まだまだ無筋はたくさん残っていたが、一体どうして【9マン】を止めることができたのだろうか。

その答えを求めて、試合後の振り返り配信を覗いてみる。すると、意外なコメントが返ってきた。

小林
「三浦くんの仕掛けにピンズが被ってしまったのと、多井さんが場に高いピンズの【5ピン】切りリーチ。周辺の【4ピン】とか【6ピン】を持たれてそうだったので、まず自分のテンパイとなる受け入れに自信がなかったんですね。また、リーチ・一発目の【西】切りも、だいたい降りっぽいけど安全に行ったと断定できず、のちのち【1ピン】が間に合っちゃう懸念もあって先に処理した感じです。」

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