張り詰める終盤戦の空気 白鳥翔 ボーダーの狭間で揺れ動く感情と理性【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/16 第1試合】担当記者 後藤哲冶

張り詰める終盤戦の空気
白鳥翔 ボーダーの狭間で
揺れ動く感情と理性

文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2026年2月16日

渋谷ABEMAS白鳥翔が選択を迫られていた。

南4局
トップの鈴木大介との点差は15700。
跳満ツモか8000の直撃でトップと入れ替わることができる。

そしてそんな大事なオーラス、親番の大介からリーチが飛んできた。
トップ目からのリーチ、絶好の直撃チャンス。

と、単純に語ることができないのが今日の難しい所だった。

ポイント状況。
白鳥の所属する渋谷ABEMASは現在第7位。
レギュラーシーズンを突破できるのは6位まで。
突破できるかどうかの瀬戸際……非常に重要なポジションにいた。

まだ残り20試合あるじゃないか、そう思う人がいてもおかしくない。
ただ今季は少し特殊で、下のチームがかなり離れているからこそ、もうこの段階からレギュラーシーズン突破をかけた相手が絞りこまれているとも言える。

今日は目下一番のライバルである、赤坂ドリブンズとの直接対決。

状況を戻してみよう。

赤坂ドリブンズ浅見真紀との点差は12100。
親のリーチに万が一、12000を打ち上げると、瞬く間に同点。いや、1本場であるから、ドリブンズに逆転されてしまうことになる。
現在のチームポイントを考えれば、ドリブンズの下で終わるというのは最悪の結果。

張り詰めた終盤戦の空気。
白鳥がゆっくりと思考に沈んでいく。

まずは、どのようにしてこのオーラスに至ったのかという序盤の戦いを振り返ってみよう。

第1試合

東家:白鳥翔 (渋谷ABEMAS
南家:HIRO柴田EARTH JETS
西家:浅見真紀赤坂ドリブンズ
北家:鈴木大介BEAST X

白鳥は東1局から落ち着いていた。

先制リーチは浅見。
カン【6マン】の赤1リーチ。

ドラドラ赤で8000のテンパイを入れていた柴田が【5ピン】をプッシュ。
さらに、【赤5ピン】【2ピン】を入れ替えて打点は一時的に下がったものの、ドラの【1ピン】なら8000のテンパイ。

3面張+リャンメンのイーシャンテンでこちらもチャンスだった白鳥だが、【4ピン】、そして生牌【白】と持ってきたところで。

通っている【6ピン】の対子落としで迂回。
やはり押している柴田がオリたとは考えづらく、【赤5ピン】を今切ってきたということは【1ピン】【4ピン】待ちは読みの本線。

実際、白鳥は自身の振り返り配信の中で「【1ピン】【1ピン】【3ピン】【5ピン】から【2ピン】を引いた【1ピン】【4ピン】待ちになっているケースが多い」と読み切っていたことを語っている。
高い手である場合にやはりドラを複数枚持っている事が多く、【赤5ピン】を切ってもテンパイをキープできる形として白鳥はこの形を想定していた。
だからこそ、【4ピン】を押すことが難しいので、【白】を行く価値もないと判断。
【白】を押していたら次の白鳥のツモは【4ソウ】で、【4ピン】を勝負する形になっていただろう。
放銃している人も大いにいそうな、見事な放銃回避だ。

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