求道者が到達した柔らかさ
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年11月7日
第2回戦
東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:小林剛(U-NEXT Pirates)
「士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし」という言葉があります。
優れた人物はすぐに成長して変化していくものなので、先入観を捨てて見るべきといった意味です。
麻雀でも先入観を持って選択した結果、想定外の対応に面喰うなんてことは多々あり
今シーズンの萩原選手は、そういった先入観を越えた変化で相手を驚かせている選手の一人です。
テーマに掲げている脱力の影響からなのか、厳しい時には我慢してチャンスと見るや勝負手をぶつけていく従来のスタイルから、積極的な鳴きを増やして相手のアガリを潰したり粘ったりと柔軟な選択をする局面が増えているように見えました。
※入場シーンからも柔らかさが滲み出ています
東1局
残した1枚切れのが重なり攻守にバランスの取れた手に育つと
これが二人のチャンスを潰すアガリになって萩原選手は幸先の良いスタートを切ります。
東2局
ピンズの形も苦しく仕掛けることも想定した小林選手は、タンヤオ重視の切りを選んだ直後に
ここは切りのほうが良かったと気づきました。
裏目となるがすぐにやってきましたが、エラーをするのが人間だということを知っている小林選手は決して焦りません。
腐ることも熱くなることもなく再計算。
フリテンはテンパイの時にさえ残っていなければ問題なく、先に切ったが生きる展開もあると
即修正して切りを選択しました。
その後、手が狙い通りに伸びた小林選手は
テンパイしてからを暗カンし、リンシャン牌をツモ切って待ちでリーチ。
この待ちに捕まってしまった高宮選手。
前巡から払い始めたが1巡間に合わず
切り遅れたと言ってもドラ3赤のチャンス手を簡単に捨てることはできないので、場の状況から勝機を探ります。
小林選手はテンパイから暗カンしてツモ切りリーチをしています。
は先に切られは複合してなさそうな状況。
もしイーシャンテンの形が優秀ならテンパイ前に暗カンをしている可能性が高いので、苦しいターツがあったはず。
先にが切られているのでカンやシャンポンは出てこなそうです。
マンズかピンズが愚形ターツならがフォロー牌として残っていそうなので、か切りあたりが赤入りリャンメンターツ固定をしていて、愚形のほうはあたりにくっついたカンチャンが本線かなと
そうだったらいいなとをプッシュ。
切りのところでを切っていればとも思いますが、それは後の祭りです。
小林選手が先に切ったに少し意味が生まれ、リーチ一発赤で6,400のアガリとなりました。
東3局
今シーズン副露率が倍増中の萩原選手。
両サイドの仕掛けを受けた親番で、鳴けば三面張の残る亜リャンメンのには