「天才は いる」素朴な夢を掲げた天才、石立岳大 多井・松本をなぎ倒した連盟の”隠し球”【Mトーナメント2023/7/30 SEMI FINAL B卓】担当記者:渡邉浩史郎

「天才は いる」
素朴な夢を掲げた天才、
石立岳大 多井・松本を
なぎ倒した連盟の”隠し球”

2023年7月30日 SEMI FINAL B卓 文・渡邉浩史郎

Mトーナメントセミファイナル同日、私は自団体のタイトル戦、WRCリーグ決勝の解説を行っていた。

本来下位リーガーの私が公式タイトル、それも決勝の解説をすることなどまずないことなのだが、観戦記を読んでくださる方々、そしてその内容を褒めてくださる皆様の存在が理由にあることは間違いない。この場を借りてお礼を申し上げたい。いつもありがとうございます。

WRCリーグは連盟員ならベテランも若手もだれでも参加できる、一発裏ありのタイトル戦だ。
今年、HIRO柴田・山脇といったMトーナメントメンバーや、魚谷・本田といったおなじみの面子をなぎ倒して決勝に進んだのはプロ入り三年以内の若手四名。

その中で、見事塚田悠介が優勝の座に輝いた。

さて長々と書き連ねたが、実は昨年度に初めてこの大会を連覇で飾った猛者が現れた。

何を隠そう、ここまでMトナメを勝ち進んできた石立岳大その人である。

恐らくこのMトナメが始まった時に多くの人は知らなかったであろう、まさに連盟の”隠し球”。
”なぜあの人が出ずにこの人が出るんだ”
推薦選手発表当時、その人選には一部不満の声もあった。それは石立に対しても同様。
そんな声を石立はここまで圧巻の内容と勝ち上がりによって黙らせてきた。

石立という人間について知るならば、WRC優勝時のインタビュー記事を読んでもらったほうが面白いだろう。
https://www.ma-jan.or.jp/writings/interview/101124.html
https://www.ma-jan.or.jp/writings/interview/105648.html

そんな石立がこの舞台で掲げるのは「一試合でも長く打ちたい」という誰よりも素朴な夢。

そんな石立の夢の旅路を早速見ていこう。

一戦目
【東2局】

前局、リーチツモの先制ジャブをお見舞いした石立。今局も打点こそいまだ見えないが形のいい配牌をもらう。

配牌から構想にあったであろう一気通貫はここで見切る。ひとまず聴牌の形はマンズのくっつきに求めた。

【7マン】を引いての聴牌は、捨て牌を縦に置く。ダマテンだ。

先制ピンフ聴牌ということでリーチに行く人も多いだろうが、全種類の赤を受けられるのとタンピン変化・高め三色変化があるということで石立の選択はダマになった。
ドラの【東】が全員に使える役牌なのも剣呑、この手をリーチで蓋をするのもいいが、行くなら勝負手になってからとの腹積もりだ。

【8ソウ】を引いて、678のタンピン三色の最高形が見えてきた。

【3ピン】【6ピン】を先にひいてくれば嬉しいのはもちろんのこと……

ツモ牌の【8マン】を引いて、これは石立の中で前もって決めていたか、淀みない発声でツモらずフリテンリーチに打って出た!巡目は中盤。他家の形も固まってきて押し返しが怖いところだが、ここで決めるという強い意志を見せてきた!


予想通り、炎の切り込み隊長:松本から渾身の追っかけ親リーチが飛んでくるが……

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