冴え渡る守備力 チームを不調から救う、朝倉康心至極の一打【Mリーグ2021観戦記2/15】担当記者:江嵜晋之介

冴え渡る守備力
チームを不調から救う
朝倉康心至極の一打

文・江嵜晋之介【火曜担当ライター】2022年2月15日

第2回戦

東家:朝倉康心(U-NEXT Pirates)
南家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:萩原聖人(TEAM雷電)

2月15日に行われたレギュラーシーズン38日目。1試合目を終えたときのチームポイントはこちら。


5位・6位が加点に成功。
少し前まで1位だったパイレーツは直近マイナスが続き、あとラスを1回引けば下位争いに巻き込まれる位置まで落ちてしまっている。

下位争いに巻き込まれないためにも、パイレーツはなんとしてもトップを取りたいところだ。

東1局
北家の萩原が【白】をポン。


明らかなマンズの染め模様で、ドラの【南】が見えてない分高打点もあり得る。

そして南家の伊達が【4マン】をチー。

【4ソウ】の片アガりテンパイだが、萩原を警戒した他家からこぼれる可能性もある。【5ソウ】を引けば三色がついて満貫

その後、萩原が【2マン】をカンチャンでチーしてドラの【南】を切る。【2マン】【5マン】待ちだ。

そして親番朝倉の手牌。ドラの【南】が対子のイーシャンテンだが既に14巡目。

使えない【7マン】を引き、【5ピン】【6ピン】落としの迂回を選択する。

萩原は【白】をポンして【8マン】を手出ししており【8マン】周りを持っている可能性が高く、【7マン】を切らないで復活するルートを選択する。
仮に形を維持して一旦【4ソウ】を切っていると、【5ソウ】を引き入れていた伊達のカン【4ソウ】に放銃していた。

見切りの良さが放銃回避に繋がったファインプレー。
そしてなんとこの手が【南】【5ソウ】【7マン】とツモり4,000オールのアガリとなる!

僥倖のスタートダッシュを決め、大きくリードする。

東1局1本場
続く1本場では、点数を持った朝倉の守備力が光る。

10巡目、伊達から先制リーチが入る。待ちはドラの【中】単騎。
対して、朝倉の手牌。

【發】をポンしているが、テンパイまでは遠い。
ドラが浮いているためオリる一手だが、オリの手順が秀逸だった。
まず現物の【9マン】を選択。

次巡、現物が【7ソウ】しか無い中で対子の【7マン】に手をかけた。

【4マン】が通っており、自身から【9マン】が4枚・【7マン】が3枚見えているので当たるパターンはかなり少ない。
【7ソウ】が伊達の現物ではあるが、西家の内川が【5ソウ】【7ソウ】とリーチ前に切っており、数巡後押し返してくる可能性がある。

【7ソウ】は内川の現物でもあるため後のリーチに備え保持しつつ、万が一【中】を引いた際は一転押し返しも可能になる一打だ。

実はこのとき、北家の萩原がカン【7ソウ】待ちでテンパイしており、もし現物の【7ソウ】を選択していたら8,000点の放銃になっていた。

萩原は危険牌を切っていないのでテンパイは察知できていたかわからないが、ここでも見事な放銃回避を見せる。

そして数巡後、内川から追いかけリーチ。

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