徹底分析!
オジサンの星・沢崎誠の
若々しい戦い
文・ZERO【火曜担当ライター】2022年2月15日
【第1試合】
東家:沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:石橋伸洋(U-NEXT Pirates)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
滝沢が上に突き抜け、下三者の激しい接戦となったオーラス。
沢崎は唸っていた。
アガれば2着の場面で、を切れば待ちになるが、下家の萩原には通っていない。かといっては2枚見えているし、はフリテンだ。沢崎はどうするか──
人を喰うような打ち筋で恐れられている沢崎だが、ベースは基本に忠実な「内寄せ麻雀」である。
遡ること東1局。
沢崎はここからを切った。
イッツーを狙うならやに手をかけるといった選択もあるが、イッツーは使う牌が限定されてしまう。その点、タンヤオは柔軟度が高い。
イッツーがー安全度がーといってを打ちたくなる中、ごく普通にを切って内に寄せるシンプルな構えこそが沢崎の強さの1つではないか。
すかさずカンをチー。を切ってタンヤオ… もしくはドラのを狙う。
あそこでを残し、タンヤオメインに切り替えたことにより、タテヨコに伸びるツモを存分に操り…
2900の先制に成功した。
とても最年長Mリーガーとは思えないほどの柔軟な打ちまわしだ。
続く一本場も…
沢崎はここからを切った。
この手もタンヤオ一本縛りで、孤立の重なりすら逃さない構え。
すぐにチーから積極的に仕掛けるもアガれなかった。
次の局、沢崎のその積極的な仕掛けが、半荘の分岐点となった。
焦点の一局
萩原のリーチを受けた、滝沢の手牌。
牌図で見てみよう。
ここまでマンズホンイツの可能性が高い下家・沢崎に対し、マンズを絞りながら手を進めてきた滝沢だが、ここではすんなりをツモ切った。
を鳴いてくれれば萩原の一発が消えるし、ぶつかりあってくれればそれも良い。最悪ロンと言われるかもしれないが、それもまた一局だ。
狙い通りを沢崎がチー。
このチーによって
萩原の待ち牌であるが…
食い流れてしまった。
これは結果論以外の何物でもないが、萩原の6000オールとなれば全く別の半荘になっていただろう。
積極果敢に仕掛け続ける沢崎と、その沢崎を利用した滝沢との絶妙なコンビプレイだった。
東ラス、ある意味萩原の6000オールを阻止した滝沢は、
自分が6000オールをアガり、大きなリードを獲得する。
次局、さらに親リーチでたたみかける滝沢に対して、沢崎の手牌。