熱論!Mリーグ【FS第4節】
舞姫はほくそ笑む…
卓上に仕組んだ恐るべき
「二階堂亜樹ブランド」
文・ZERO【FS第4節担当ライター】2019年3月3日
最近、私はポーカーにハマっている。
ポーカーにも配牌があり、読みがあり、押し引きがある。
ポーカーの持つ不完全情報ゲームな部分が、非常に麻雀に似ているのだ。
ポーカーに「ハンドレンジ」という言葉がある。
「レンジ」とは「範囲」という意味。
この打ち手がBETしてきたからには最低限これくらいの手札を持っていると推測できる…というような「範囲」のことを示す。
ハンドレンジは、広ければよい、悪い、というものではなく、相手のハンドレンジに対応してこちらのアクションを調整することが大事なのだ。
そういう意味では…
1回戦に登場した二階堂亜樹は、非常にハンドレンジの狭い選手だ。
亜樹のリーチはほとんど好形だし、ひとたび鳴けば打点か速度が必ず伴っている。
なんとこの日、その亜樹が、明らかにハンドレンジを変えてきた。
東1局。
ドラは。
この手牌を見て解説の魚谷が発した言葉に私は大きく頷いた。
「亜樹さんの手牌、ならリーチすると思うのですが、ペン残りでリーチをするイメージはありませんね。ペンになってしまったら一旦ヤミテンのタンキに受けて好形を目指すと思います。」
実況の松嶋が
「たしかに亜樹選手はこういう手はリーチにいきま…」
と言った瞬間だった。
待望のをツモってくる(笑)
「待望の」…というのは、Mリーグを見ていて「この打ち手はこの牌を持ってきたらこれを切るだろう」といった予想をしたときや「この打ち手はこの牌を持ってきたらどうするのだろう?」といった疑問を持ったときに、実際その牌を持ってきたら嬉しくならないだろうか?
オリ手順を学びたいときは「手詰まって~!」と祈ることすらある。
戦っている選手からすると甚だ迷惑な話かもしれないが(笑)
これまで、そういった予想に対し、亜樹は一度も裏切ってこなかったように思う。
これも我慢するの!?と逆方向に驚かされたことはあったが。
今回も当然かを静かに縦に置くものと思われた。
誰もがそう思った瞬間…
舞姫は少し笑ったような気がした。
「リーチ」
解説・実況・視聴者…見ている人の全てを覆す、ハンドレンジの変化。
レンジのギャップが大きければ大きいほど、効果は高くなる。
もしかしたらファイナルでの戦いに備え、レギュラーシーズンでは亜樹ブランドの構築のために我慢を重ねていたのかもしれない。
そう、私の記憶では美少女雀士としてデビューしたころの亜樹は攻撃型だった。
なんで美少女は美少女のままで、俺だけおっさんになるんだ?
…という突然フツフツとわいてきた疑問はさておき
亜樹の決断は吉と出る。
追っかけてきた松本から8000のアガリ。
(亜樹さんそれリーチするんだ)
放銃した松本も少し驚いた表情。
東2局。
ハンドレンジが狭いと言えばこの男もそうかもしれない。
村上淳。
昨日の対局で
5巡目