熱論!Mリーグ【FS第6節】
園田、寿人、白鳥、
3者の猛攻を受け切った
EX風林火山・勝又健志の
「未来予知」
文・ゆうせー【FS第6節担当ライター】2019年3月3日
ファイナルシリーズ第6節
“タンッ”
気合のこもった勝又の第1打ダブで、この試合の幕は開けた。
続く第2打は。
2メンツ目が完成した第4打目、勝又は流れるようにを手出しした。
さて、ここまで一連の勝又の河に注目していただきたい。
第1打にダブを切り、2打目にを手出し、4打目にはを手出し。
他者の目にはどう映るだろうか。きっと、
「ダブや、ド真ん中の牌がもういらないのか…早そうだな…」
という考えが頭をよぎるはずだ。
勝又は特に親番で、いけそうだ!と感じる手のとき、このようにストレートな進行を見せつけて他家に自分のことを意識させるのが得意だ。
第1打にを選ぶ打ち手も多いと思う。しかし、ここはあえて第1打にダブを切ることによって注目を集めるのが狙いだ。
それを受けた園田、
4巡目にこの手格好から、
打としている。これは、とを両方手に置いての進行が、勝又に対して危険だとの判断からだろう。
続いて、勝又は6巡目にを引き入れる。を引けば三色ドラ1、が重なればピンフドラ1、とパッと見の印象よりも役アリテンパイとなる受け入れが多い、魅力的なイーシャンテンだ。
この手出しによって、他家の緊張がさらに高まる。
7巡目の白鳥、
この手牌で少考したのち、
を切った。自分の手牌としては、を残しておけば引きで678三色のルートが残る。しかし、は上家の勝又にいかにも危険だ。比較的安全なを手に置いて、の切り遅れを避けた。
このように、他家への危険察知能力の高いMリーグの場では、「親が早そうだ」というメッセージを送ることによって、手を曲げさせる効果も期待できる。
中盤にをつかんだとき、勝又にダマテンが入っている可能性と、自分のこの手の価値とを慎重に比較する園田。自身のアガリを追ってここはを切った。
もし、園田の河に並んでいる4巡目のが手に残せていたら、8巡目にのメンツを完成させて待ちのリーチを打っているという、また違った世界線があったかもしれない。
親の勝又の河が発するオーラによって、子方が攻めあぐねる格好となった。
その間隙をぬって、
勝又が12巡目にテンパイを入れる。待ちでリーチだ。
寿人の追っかけリーチを受けながらも、勝又は力強くをツモりあげた。
2600オールのアガリ。
親番の特性をうまく活かし会心のアガリを決めた勝又。微塵も浮かれることのない冷静な面持ちが印象的だった。