熱論!Mリーグ【Fri】
オーラスの惨劇!
Mリーガーを破壊する
「マムシの沢崎」の猛毒
文・危険な鬼太郎【金曜担当ライター】2019年10月25日
「手替わりを待つかどうか難しい手牌だと、一巡だけ手替わりを待って変わらなかったらツモ切りリーチするよ」
東1局でいきなりフリテンリーチをした男はとある麻雀番組でこう語った。
1回戦
東1局
沢崎がテンパイ。
ピンフのみでもリーチしたほうが効率が良いと言われている時代で、ピンフ赤1でもリーチをしない。
何故か?
沢崎は一巡だけ手替わりを待ったのではないだろうか?
この手牌、を引けばタンピンドラ1。だと高目タンピン三色ドラ1まで望める手牌。
東1局だということを加味すれば沢崎が欲を出したとしてもおかしくはない。
リーチをすれば、最低でもリーチ一発ツモピンフ赤1のマンガンだった。
しかし、沢崎をこの失敗をミスとは捉えない。むしろ好機と見てフリテンリーチ、高目三色待ちのリーチと出た。
一発でをツモったのはたまたまで、待ちでリーチしてもマンガンツモがせいぜいの手牌。この形に受けておけば高目のをツモれば倍満まで見込める。
東1局で勝負をつけるつもりだ。
しかし、東1局は親の滝沢の単騎ツモの1000オールで初アガリを迎えた。
沢崎の超ド級の手を交わし切れたのだから、価値は大きい。
東2局、さらに攻撃の手を緩めない滝沢。
自風のでアガれれば打点十分のシャンポンでリーチ!なんとコレが山4!なんといっても3巡目のリーチ。安全牌が足りずにでアガるのは時間の問題だと思っていた。
これほど手牌がまとまっている瑞原でさえもを切らずに現物のを切る。
序盤でが切れているリーチにはが通りやすいと言ったセオリーも存在するが滝沢のリーチが速すぎてそれは当てにならない。
リーチの一発目では無かったらを行ってもおかしくは無いが、一発で放銃すると致命傷になる可能性があるのでここは慎重に…。
ここで通っていないをビシッ!と切る瑞原。現物はがある。
が、通っていない牌が何枚あるのかという話と自分の手牌の安全牌の問題がある。
この手牌、現物はしかなく通りそうな牌は存在しない。降りるのならば確実にこの後なり、通っていない牌を打つことになる。なら自分がアガリ切ったほうが速い。
ある程度無筋を打った後で、滝沢のリーチの危険牌が明確になったところで降りるかどうか判断すればいいのだ。
瑞原がツモリ三暗刻テンパイで無筋の打。ヤミテン。
現物こそ増えたものの、まだまだ滝沢には無筋がたくさんある。しかしリーチは打たない。自分の待ちが弱いのもあるが、瑞原には止めるべき牌が残っている。
この無筋だらけの難しい手牌でをツモる瑞原!タンヤオツモ三暗刻のマンガン!
少し弱気な選手なら手牌が今頃バラバラになっているだろうが、瑞原は簡単には屈しない。攻守兼用のアガリを見せてくれた。
瑞原がアガれば次は滝沢。
東4局ではこのリーチ一発ピンフドラ1の8000点を沢崎から打ち取った。東場の様子を見るとこの二人のトップ争いになりそうだ!とメモを取る手が走った。
南1局、さらに止まらない親の滝沢。
このとのツモリ三暗刻のテンパイを即リーチ!畳みかける。
手牌的に、瑞原と沢崎の手牌はグチャグチャで対抗できない。ここで村上が勝負に出た。
この村上の手牌。リーチが掛かっていなかったらを切ってピンズを伸ばし、ピンフドラ1でも良い柔軟な手牌にしたいが、もうリーチが入っている。
ここは現物のを切って、少し硬い三色のイーシャンテンに受ける。
ここでドラのを引き、現物の打。村上の思考としてはまず、は切りたくはなかったはず。
で放銃すればドラ絡みで打点が付く可能性が高い。ドラのが来たおかげでの二度受けにはなるが、打点は十分。愚形でも打点があれば押し返せる。
いつもは元気よくリーチ宣言をする村上。だが、ここでのカンリーチの声は凄く小さかった気がした。
渋々、打点効率上この愚形リーチを打っているように感じた。村上の不安通りこのカンは山には存在していなかった。
でも、そんなことは村上も承知の上。1枚あれば上等だと感じていただろう。期待値を重点に置いているドリブンズだとこのリーチは必然だ。