「イカン、おかあが死によるぞ」私にはどうすることもできません。看護師さんの声も聞こえます。
「山崎さん、春子さん、まだ死んだらイカンよ」
懸命の救命医療をしてくれたようですが、母は戻ってきませんでした。
親孝行をしたい時には親は無し
にならないように
長々と個人的な昔話ですみません。
先に書いたように、父は出稼ぎが多かったので、私といっしょに暮した、正味の年数はそんなに長くありません。
私が保育園児の頃から、高校を出るまでの10年のうち半分くらいだと思います。
2人の子供を女房といっしょに育てましたが、成人した子供に近くに居てくれとか、
言ったことはありません。
「お前は東京に行くのか。そりゃええ。男は親にひっついちょちゃあイカン」
母が亡くなった後1人になっても、老後の面倒を見てくれということもありません。
最近は、たまに私と姉が温泉に誘うのを喜んでいるようです。
私が上京する時に誓ったのは「親より早く死なないようにしよう」という、
ハードルの低いものでした。
すでに実の両親が無くなり、今の父親は80歳を過ぎてますが元気です。
誓いはまだ続くのでした。
(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2014年6月1日号)
●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/
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