セガサミーフェニックスの守護神 近藤誠一がセミファイナル初日で魅せた“第三の選択”【熱論!Mリーグ】担当記者:ゆうせー

近藤がリーチをして、瀬戸熊に満貫を打ち上げてしまったら、近藤はラスになってしまう。セガサミーフェニックスは現在首位とはいえ、セミファイナルに入ったところで持ち点は半分になっており、2位ABEMASとの差は135.1しかない。ラスを引くのは極力避けたい。

ほかにも、④この局親の多井はオリずに攻めてくるので打牌選択の余地を残す、⑤リーチよりダマの方がアガリやすいので2着になる可能性が高い方を選択、というのも「リーチではなくダマ」を選ぶ判断材料となろう。

近藤が思考に費やした時間は、77秒。そして近藤はを切って、

その5秒後に、この半荘は決着した。

ピンフ赤ドラ、3900は4500の出アガリ。

レギュラーシーズンで引いたラスはたったの1回。最優秀防御率を誇るセガサミーフェニックスの守護神が、チームに2着を持ち帰った。

セミファイナル初日、2試合を終えての成績がこちら。サクラナイツが連勝でポイントを伸ばすなか、セガサミーフェニックスは魚谷と近藤がどちらも2着を獲得。首位の座を守る格好となった。

さて、セミファイナルシリーズでは、試合終了後に選手が引き上げてくる様子を見ることが出来るようになった。

おや、沢崎と近藤が少し感想戦をしているようだ。

少しだけ音声が聞き取れた。

近藤『倍ツモ…』

「大きく打ち、大きく勝つ」ことが信条の近藤。守備力だけでなく、一発長打の攻撃力も持ち合わせている。あのオーラスの手で、倍満ツモを目指してリーチを打ち、トップをとりに行きたかったという想いもあったのだろう。

今日は、チームの状況を踏まえて「ラスを引きにくい、2着になりやすい」道を最善とし、そのルートを選んだ近藤。

セミファイナル、ファイナルと戦いはまだまだ続いていく。

また違う試合では、近藤が勝負のリーチをかけて大逆転を決める。そんなシーンが見られそうな予感がした試合後の一コマであった。

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