熱論Mリーグ【FS4日目】
絶え間なく繰り出す
技術で他者を翻弄する
魚谷侑未の思考
文・危険な鬼太郎【金曜担当ライター】2020年6月19日
ファイナル4日目、第1戦。今回戦うメンツは、内川幸太郎、日向藍子、魚谷侑未、瑞原明奈というMリーグ屈指の美男美女対決となった。
その中で内川のプレッシャーは想像を絶するものだろう。首位で始まったこの決勝戦で、いきなりのチーム4ラススタート。予選で稼いだリードを吐いて、1チームだけ置いて行かれる展開となった。
これ以上離されると逆転は厳しくなるので、早めに首位のフェニックスに食らいつきたいところだ。
【1回戦】
東家 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
東1局
親の瑞原がイーシャンテンで迷わずドラのを切る。
この手牌、123の三色が見えているが、先にから引いてくると役無しドラ無しの単騎や単騎の愚形聴牌になってしまう。
その為、マンズのと払う選択もあるとは思うが、瑞原は親番での聴牌効率を重視し、ドラを先打ち。
このが魚谷のポンテン。
のドラ3の聴牌になるが、瑞原もすぐに追いつき親リーチ!
この瑞原のは山に1枚という薄い待ちではあったが、これのを魚谷がすぐに掴み放銃。
リーチピンフ裏1の5800という大きなアガリ。現在首位を走るフェニックス魚谷からの直撃は嬉しい所。だがこの程度のアガリではまだ勝負は決まらない。
東1局 2本場 供託1本
魚谷が中盤にをポン!
打としてのの亜リャンメンの聴牌に取る。現状、ビハインドを背負っているので、ドラドラの手牌を活かしてこの手をメンゼンで跳満ぐらいにしたいところだが、巡目も中盤を過ぎ終盤に入ろうとしている。
3900点の手牌だがやドラのでアガれば一気に8000点になるのでコストパフォーマンスも悪くはない。
惜しむらくはこのがもう山に無いことだが…。
ド終盤。内川がテンパイを入れる。
ツモはあと一回。ドラのさえ切れればテンパイに構える事が出来るが内川の手は止まる。
親の瑞原と日向は比較的おとなしい捨て牌をしているので、見るべき相手はを仕掛けている上家の魚谷だけ。マンガン…ないし跳満まで見えるのでリーチへと踏み込みたいが…。
「このが魚谷に切れるかどうか…?」
魚谷の最終手出しはをポンしての打。それ以降はツモ切りだ。聴牌臭漂う捨て牌。
魚谷の捨て牌は比較的弱く、リャンメンで当たるとすれば、、の3本の筋はド本命に見えるところ。
そして内川が恐れるのはこのが魚谷のシャンポン系に当たる事だ。
「ドラで放銃すれば8000から…。魚谷のに誰も合わせていないとはいえ、この待ちは山にいるのか?」
内川の選択はドラ切りリーチ!ハイテイ一発ツモと魚谷の放銃に懸けたリーチ!
引いたのがではなく、だったのならば…違った選択だったかもしれない。
このが魚谷の当たり牌。タンヤオドラ3の8000の大きなアガリ!
レギュラーシーズンで2冠を達成し、決勝戦も2連勝と絶好調の魚谷。勢いそのままに突っ走ってしまいそうな強さを感じる。
東2局
なんでも卒なくこなす魚谷が疑問の一打を私たちに投げかけてきた。
魚谷がを引き入れカンでタンヤオドラ3のテンパイ。
ピンズの形がゴチャゴチャしていてわかりにくいが、ピンズを普通にと並べていて、をチーする場合。とをつまんで鳴くことになり、待ちが透けてしまう。
雀荘のおじさん達もよく使っている技だ。問題はここから。
上家の日向が打。