迫りくるラリアットと
Mへの怨念を振り払った
岡田紗佳の成長と覚悟
【決勝卓】担当記者:危険な鬼太郎 2020年7月25日(土)
決勝戦に残った4選手を見てみると、今大会のコンセプト通りに若手とベテランの女流が二人ずつ残った。
ここ何年も女流界のトッププロとして女流を引っ張ってきた仲田加南と水口美香。仲田はプロ入りしてから10年以上のベテラン選手で、その実力は多くの獲得タイトルを見るだけでわかる。
水口はまだプロになって10年にも満たないが、多くの実績を残していてトッププロと言っても過言ではないだろう。
対して丸山奏子と岡田紗佳。丸山はプロ入りしてから僅か数年でMリーガーに選ばれて華々しい結果を魅せてくれた。Mリーグデビュー戦の逆転トップはまだ記憶に新しい。
岡田もプロ入りしてから日が浅いが、多くの放送対局で結果を残してきた実力派。さらにTV対局で九蓮宝燈をアガった事もあり、観る者を虜にした。
どういう展開になるのか?まったく予想が出来ない四人で決勝戦が始まった。
【決勝戦】
東1局1本場
親の岡田の一人テンパイで始まった決勝卓。
仲田がをポン!

ここで打。きつい手牌なので、鳴いたからには打点を付けたいので
を打つ人が多いと思うが、仲田は
を打った。
ソウズのホンイツには行きたい所ではあるが、実際まだ遠い。ならばここは捨て牌を活かしピンズのドラ含みのホンイツに見せかける。ホンイツにいくのなら、役牌のや
が重なってからでも遅くはない。
仲田の上家である水口もこれで対応を強いられる。

この程度の手牌なら、ドラ受けのはまだ持っておきたいが…。将来的に仲田のピンズのホンイツの急所になる可能性があるので先切り。
巡目も進み、水口はソウズが高くなった捨て牌の仲田に対してドラのをぶつけ、
をチー!


自分の手にドラが2枚で北家。絶対にアガリたい手牌。が場に3枚見えで
が1枚切れで二度受けの
ターツが弱すぎる。
もちろんチーして打の水口に放銃する危険性も高いが、ドラを打っている水口の点数は何点だ?せいぜい役牌ドラ1の二千点程度。ならば2シャンテンからでの押しも見合う。

水口が丸山から三色のみ1300のアガリ。親の加点を許さない良いアガリだ。
東2局は岡田と仲田のリーチ合戦となったものの…。

岡田がこれを一発でツモ!リーチ一発ツモピンフドラ1のマンガン!
一気に岡田が抜けたトップ目に立った。
東3局
この局は岡田がかなり強気な選択を魅せる。
まずは丸山の先制リーチ!

理想的なタンヤオドラ1のでの先制リーチ。このリーチを受けて岡田はすぐにテンパイ。

ピンズは何を切ってもテンパイの形。だが、リーチが掛かっているので切る打牌は限られてくる。打牌候補は現物のか、
の4枚見えでノーチャンスの
かのどちらか。
①を切れば
のピンフ待ちだが…。自分の目から
は五枚も見えている。もはや愚形と言ってもいいほどのピンフテンパイ。
②を切れば、
の変則三面張の聴牌。待ちの数こそ一番多いものの、
が目に見えて無く、
は3枚見え。一盃口になる
こそ現物だがこの待ちを選択しても目に見えて最高でも3枚しか残っていない。
私は岡田はを切ってのヤミテンを選択すると思っていた。待ち牌の
がリーチ者の現物。これを冷静に捉えに行くはずだと。
「リーチ!」

岡田の選択はまさかの切りの追っかけリーチ。
待ちに受ける。かなり繊細に慎重に打つ岡田のスタイルからかけ離れた超攻撃的なリーチに見えた。
「が自分の目から3枚、
が2枚見えている。
は相当相手に使われにくい良い待ちなハズだ。これで現物の
で出アガリ1300はもったいなさすぎる。そんな良い待ちなんだから、
のアガリ逃しさえ許されない」
岡田はまだプロ入りしてから日が浅いが、多くの放送対局で優勝している。言わば1回戦勝負の勝ち方を知っているプロだ。でアガリを逃して他家のアガリを許す緩手を経験則で知っている。
これに水口も追っかけリーチ!

のドラ1での追っかけリーチ!いきなり三件リーチの勝負局となった!
これを制したのが…。

丸山!水口からのを捉えて、リーチタンヤオドラ1の5200のアガリ!トップ目の岡田に追いすがる、大きなアガリだ。
東4局
ここで仲田が驚愕な一手を魅せる。

なんとタンヤオピンフの待ちをヤミテン!1万5000点ほどトップ目の岡田と点数が離れているのに、ヤミテンに構えた。
に関しては
が2枚切れでさほどマンズは悪くは見えない。なんでヤミテンなんだ?まさか345の三色を見ているのか?
