【最終回】麻雀最強戦2020ファイナリスト!ごきげんな一発屋・新井啓文の「不機嫌な自戦記」第5回‼︎

直後、退けない矢島が一発でを掴む。

快心の12000で逆転に成功。
注目される舞台でこのアガリを決められたことは、麻雀プロ冥利に尽きる。

しかし敗れてしまっては画竜点睛を欠くというもの。
勝ち切ってこそ、このアガリが完成品となるのだ。

南4局 1本場 ドラ

親・古橋とは僅か700点差。
ほぼ一騎打ちである。

4巡目
早くもイーシャンテン。
マンズは非常に安く、から引けばかなりアガれそうだ。

しかし6巡目、古橋「リーチ」

 

 

なぜだ、なぜこの勝負所で1段目にリーチが掛かるんだ。

しかし私も簡単には退けない。
4000オールでもアガられようものなら、
次局はハネツモ条件になってしまう。

直後私もを引き、完全イーシャンテンとなる。

この状況の親リーチだ。
どんな形もあるうえに、ターツ選択も入っていない。
しかも自分は勝負形。
希望的観測で古橋の手リーチのみの悪形と決めつけた。
しばらく押すと腹を括り、一発で勝負!

さらに

共に押す。

特には中筋の切りにだいぶ傾きかけた。
しかしこの局面、アガリ逃しこそ最大の罪。
羽生先生が言っていたじゃないか、「運命は勇者に微笑む」と。
安易に背中を見せてはならぬ。

12巡目、ついに追いつく。

「アガらせてくれ…」
そんな『願い』は無意味どころかマイナスだ。
予選で痛いほど身に染みている。

それでも込み上げてくる感情を抑え、
最終盤に危険牌を引いたときのことだけを必死に考えていた。

幸い危険牌は引かず流局。
矢島もしぶとく粘り3人テンパイ。
古橋と私の待ち牌は1枚づつ王牌に寝ていた。

そして2本場

ご褒美のような簡単な喰いタンをアガり、決着。
代打出場で優勝を果たした。

凄まじい緊張感から一気に解放されたからか、表彰式までの間、味わったことのない渇感に襲われたことを覚えている。

インタビューは皆が清々しい表情で語っていた。全員が力を出し切った、素晴らしい戦いであったことの証左であろう。

12月のファイナルでもまた、極限の戦いをお見せしたい。

さて、本放送をご覧になった方はどんな感想をお持ちになっただろうか?
各団体の最上位リーグで戦うプロの強さ・覚悟が存分に伝わったのではないかと思う。

Mリーグに選ばれていなくても、麻雀に人生を捧げる凄い奴らがゴロゴロいるのだ。

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