西原理恵子 & 山崎一夫 税務署に毎月出頭し続けて3年…

税務署に毎月
出頭し続けて3年

3年前のちょうど今頃ですが、私の店に税務署員が数人で調査に来ました。
けっこう厳しい調査を受けて、私も事情が呑み込めないまま右往左往してしまい、税金をガッチリ取られました。

手持ち資金で払いきれない分は、分割払いにしてもらって、すでに3年たちます。
今の調子で分割払いを続けても、おそらく私が死ぬまでに完済は無理だと思います。

あ、先にお断りしておかなくちゃいけないのは、ここで述べることは、あくまでも私の主観なので、税務署の見解とはまったく違っています。

ひらたく言えば、自分に都合のいい事実だけを書くことになるかもしれません。
話半分、あるいは眉にツバをつけてお読みください。

 

調査の目的は、その3年前に設立した株式会社の無申告です。
恥ずかしい話ですが、会社設立以来一度も税務申告をしてなかったんです。

そりゃ、税務署も来ますよね。

 

調査と記録の作成、その後の申告は、ほぼ税務署員の言いなりでした。

「池田さん(仮名)、申し述べ書はこれでいいですか?」

税務署員の一人が、私に書かせるための申し述べ書の下書きを、上司に見せて確認します。

「私は税金を払うのが嫌で申告しませんでした、の前に(敢えて)を挿入しなさい」

その鉛筆の下書きを私に示して、

「このとおりに書いてください」

と言うんです。

私は良く分からないままに、(敢えて)と挿入された部分も、吹き出しを使って、そのままボールペンで丸写ししました。

後で税理士や弁護士に教えて貰ったんですが、これが公文書として保管され、悪質な案件として、重加算税などのペナルティを課すための、根拠とされるんだそうです。

また、私が仮に国税不服審判所に訴えても、やはり証拠として採用され、私の申し出は確実に却下される仕組みになっているそうです。

もしみなさんが税務調査を受けても、言われるままに納得のいかない書類を書いて、サインしないようにしてください。
その時点でほぼ不利が確定します。

私は自分の知識の無さと、迂闊な行動に気付いて、先の申し述べ書の撤回と返却を求める嘆願書を出しました。
ところが

「この内容の嘆願書では、公務員の私たちの不利になるので受け取れない。内容を複数個所直せば受け取ってもいい」

と言うんです。

「そうすれば、重加算税課さない」

税理士さんに相談したら、

「山崎さん、池田さんがそう言ってるんなら、そうしましょう。無申告加算税の他に重加算税をやられると、それが地方税などにも波及して倒産しますよ」

私は青ざめました。

嘆願書を出すのは、請願法などによってその権利が保障され、行政側は受け取る義務がありますが、そうしてくれません。私は池田さんの脅しと利益誘導に不満はあったものの、無申告の後ろめたさと現実にお金が無い弱みもあって、渋々嘆願書を書き換えて提出しました。

「嘆願書を収受します。ただし重加算税はやるつもりです」

この時は、税理士さんと顔を見合わせて絶句してしまいました。
二度までも騙されたのかと。

あ、ここらへんも一方的な見解かもしれないんで、よろしくね。

次の私の取った行動は

「先の嘆願書は、池田さんの脅しと利益誘導によるもので、私の本意ではありませんので、取り消して返却してください」

という新たな嘆願書を出すことでした。

これはすんなりと受け取ってくれました。拒否しても次の嘆願書が来ることが分かっているからです。
ただし、行政は嘆願書を収受する義務はありますが、それを読む義務は法律として明記されていません。
返事をする義務も無いという解釈です。ましてや嘆願者の願いをきくことは、まずありません。

 

税務署長宛の嘆願書を署長が読んでいる可能性は低いです。
私の友人が、週末の夕方にある申請書を署長宛に出したら、月曜日の朝に却下の通知が来たとを怒ってました。

「署長が見る時間がどこにあるんだ」

私も納税の猶予申請書という書類を。徴収部門で提出しようとしましたが、数回門前払いを受けました。
やっと5回目に受け付けて貰えましたが、何の聞き取りも調査もせずに即日却下です。

「ちゃんと受け付けるだけは、受け付けてください」

「前任者は知りませんが、私は受け付けてます」

門前払いされてるので、 実態を知りたくて、行政文書の開示を請求して記録を取り寄せて驚きました。
その年度は私以外に、申請書を受け付けて貰った人が、一人もいなかったんです。

「申請がありませんでした」

納税者支援調整官にも、相談しましたが、あまり効果はありませんでした。

弁護士さんに言わせると、これは国税不服審判所も同じようなもので、納税者が勝てる見込みはほぼ無いそうです。
単なる内輪のガス抜き装置かもしれません。

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