ところが小林は最後まで役無しのまま、リーチに対して無筋を勝負してテンパイを取り切った。
これはテンパイ料が欲しかったというわけではない。
・リーチ者松本にハイテイが回ってくる
一見アガリ目のないテンパイに見えるが、松本がもしハイテイでを切ればマンガンでアガることができるのだ。
・優勝を争っているフェニックスにトップを取られるくらいなら、ABEMASがトップのほうが良い
もし自分が松本に放銃してしまっても、松本がトップになるなら良しとしようという作戦だ。
リーグ戦終盤ならではの作戦。Piratesらしい、小林らしい選択だったと思う。
オーラス
粘る小林、親番でようやく気持ちの良いリーチが打てた。
ドラ暗刻の
これがアガれるようだとまだ分からない。
しかし反撃もここまで。
ダマテンを入れていた松本がしっかり押し切ってトップを決めた。
松本も、もしリーチに放銃してしまうと4着まで見えてくるという状況だったが、トップを取るためにしっかりリスクを取ってアガリをものにした。
ABEMASにとっても値千金のトップと言えるだろう。残り4試合、ますます目が離せなくなった。
さて、魚谷、小林両選手に注目してきたが、打点重視の魚谷と、打点を犠牲にしても手数の多い小林というかなりタイプの違う選手だということが改めて分かった。
優勝を争う2チームのエースが真逆のタイプというのも面白い。
今日のところはフェニックス魚谷に軍配が上がったが、Pirates小林もこのまま終わることはないだろう。
彼らは両チームのエースなのだ。必ずや近いうちに卓上で拳を交える日が来るはずだ。
2戦目を終えてのランキングがこちら。
4着を引いてしまったPiratesが一歩後退。
しかしABEMASがトップだったこともあって、まだまだ混戦模様と言える。
フェニックス魚谷も危なげなく2着を取ったようにも見えるが、思い返してみると東2局の時点では49000点持っていたのだ。トップを取り逃がしているという見方もできる。首位のフェニックスとて苦しいことには変わりないのだ。
Mリーグファイナルシリーズも残りわずか4試合。
ここからは、今まで以上に厳しいフェニックスシフトが引かれることは想像に難くない。
それは梅雨の雨のようにじめじめとした足の引っ張り合いになるだろう。
とても夏の線香花火のように儚く終わりそうもない、か。