この熱狂は外へ届いたか⁉︎ 牌の気まぐれに歓喜し、翻弄されたMリーガーたちの2年目のエピローグ【熱論!Mリーグ/FS最終日】担当記者:ZERO

お願い…いて!

最後の力を振り絞る魚谷。

しかし、魚谷の最終ツモは空振りに終わった。

沢崎の打った打が、Mリーグ2019の最終打牌となった。

この最終決戦、新規加入のサクラナイツを牽引し、Mリーグを掻き乱した沢崎は、完全に空気だった。

いや、この最終決戦を成り立たせるために、空気に徹したのだ。

無理な手役狙い、例えば国士なんかを毎局狙うと、どうしても下家の多井が有利になる。

かといって絞りまくるのも多井が不利になるのでそれも違う。

自然に攻め、自然にオリる。

最後の最後まで、完全なる空気に徹する。

沢崎は、誰にも褒められることのない、いわば汚れ役を率先して引き受けたのだ。

沢崎はアガることも放銃することも鳴かすこともなく、完全なる空気を全うした。

サクラの散り時は、それはそれは静かで、見事な景色だった。

こうして優勝はPiratesの頭上に輝いた。

麻雀は、真夏の夜の夢のように儚い。

多井のような実力者を持ってしても、牌の上下には逆らえないし、魚谷がどれだけ祈っても無機質な直方体は何も応えてくれなかった。

そんな不条理な牌の並びの中で、彼らは泣き、笑い、そしてこれからもほんの少しの利を追求し、切磋琢磨していくに違いない。

そして我々も、そんな牌の気まぐれに、一喜一憂し、熱狂していくのだろう。

もう2020年度のMリーグは始まっている。

今度、気まぐれな牌たちは、どんなドラマを見せてくれるのだろう。

チーム雷電の萩原が表彰式のときに言っていた。

「麻雀が、Mリーグが、この国の本当のエンターテイメントとなるように、来季も精進したいと思います」

このコメントも、少し前なら大袈裟と感じたかもしれない。

しかし老若男女のMリーガーが感情をむき出しにして戦い、泣き、そして笑い、それを見たファンたちが熱狂しているのを見ると、そんな未来が来るのかもしれない、と思わせるに十分だった。

お疲れ様でした。

多くの感動をありがとう。

努力がなかなか報われない、そして苦しくて苦しくて逃げ出したくなる、そんな麻雀という愛すべきクソゲーを、これからも盛り上げていきましょう。

最高だぜ!麻雀!

1シーズン、ずっと読んでいただいて、本当にありがとうございました!

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