果たせなかった約束・押せなかった牌【佐治敏哲の麻雀最強戦記】
今まで見る側だった画面の向こうの世界に立っていた――
はじめまして、日本プロ麻雀協会の佐治敏哲(さじとしあき)です。
6月27日に行われた麻雀最強戦代理戦争に参加させていただきました。
その反省をこの場で書きたいと思います。
2月の寒い朝のこと。目覚めると、一通のLINEが届いていた。
堀慎吾「最強戦に推薦したから、頑張ってね」
これ以上ない強烈な目覚ましだ。
気合十分、3月27日の予選はなんとか1位で通過した。
(予選の模様はこちらから。1半荘目出場)
次はいよいよ初のABEMA放送だ!
それから3か月。毎日浮かれないように気持ちを抑えるのに必死だった。
緊張と興奮から腕が固くなり、いつもの様に牌を扱えない。
仕方ないと言えばそれまでだが、これも反省案件だろう。
東4局。私が1番反省したいのはこの局だ。
(放送はこちら)
ドラもあり形のいい2シャンテン。
やる気しかない。
しかしここから4巡を浪費して、やっと持ってきたのが2枚切れのだった。
打点の下がり方が尋常じゃない。
一切予想していなかった登場人物に反応が遅れた。
ターツを選ぶ必要があるのも個人的によろしくない。
がどちらも生牌なのは気持ち悪い。
親の裏筋を先に処理しようとを切った。
その矢先のことだ。
対面の大庭プロから切りのリーチ。
が早く、や待ちのシャンポンや愚形がいかにもありそう。そして浮いている。嫌なタイミングだ。仕掛けて単騎で粘ることにした。問題のシーンは最後の1牌だ。
海底で持ってきたのはだった。何を切る?
先ほどの理由からもも打てない。
でははどうだろう。リーチの現物だ。
しかし上家の櫛田プロにのチーが入り、かなりテンパイに見えた。
9巡目のは手出し。ドラ所有率高め。
河からもソウズかピンズの上が本線だ。
当たれば最低でも河底ドラ1の2000は2600点から。
情報を整理してみよう。
・2着まで通過のシステム
・非常に僅差な持ち点
・ピンズの上は絶対打てない
・親の岩瀬プロはノーテン濃厚
・放銃すると河底がつく
・はのワンチャンスの無筋
要点はこれぐらいだろうか。
3人テンパイは1000点の収入。放銃は2600点から。
オリると岩瀬プロと2人ノーテンの1500点払い。
悩んだ末に…
視聴者はもちろん、選ばれなかったも「オレじゃないの!?」とビックリしたに違いない。
もちろんテンパイ料は偉いし欲しい。
それでも怖くて切ることができなかった。
2着通過システムと河底であることが強く頭に残り、より消極的な思考に繋がった。