勝因は鳴かせてくれた上家さん?サクラナイツ・内川幸太郎の完璧なゲームメイク!【Mリーグ2020観戦記10/16】担当記者:真中彰司

その後を引いてテンパイを入れ、単騎で待ち構える。

河にが3枚見えているため、他家から出てくる可能性が比較的高い牌だ。

しかし、これでは最終手出しがのままだ。

持ってきた空切りして、待ちをぼかす一工夫。

マエストロは細部にまでこだわるのだ。

完全にピンズへの警戒が薄れたところを、茅森がツモ切ったを狙い撃ち。

3900点と供託3本+2本場で、満貫クラスの加点に成功した。

これも全て鳴かせてくれた上家のおかげである。

「上家さん、鳴かせてくれてありがとうございます」

「べ、別に宣伝のためじゃないんだからね!」

南3局

内川にとってはこの親を流せば勝利目前だ。

捌くすきを狙っていたところに、ラス目のたろうが仕掛ける。

いきなりと仕掛けて、禍々しいピンズの一色手のようだ。

しかし、その手の内は…

なんとまだテンパイしていない。

たろうのお家芸「4センチリーチ」である。他家へのプレッシャーは十分。

ノーテンでも、有効牌を1枚引けばすぐにテンパイ。

これで茅森との差を詰められる。

しかし茅森もカンで一応はテンパイ。

ただし待ちのはポンされていて苦しい。を引いて待ちを変えたいところだ。

しかし、麻雀の神様はイタズラ好きだった。

ほんの僅かだけ、が出る手順はあったのだ。

引きでトイトイに変化。しかもは他家が使いにくい。

たろうといえば、Mリーガーの中でも無類のカン好き。

もちろんを加槓するのだが…

まさかまさかの槍槓放銃。

放送対局ではめったにお目にかかれない、珍しい役が成立した。

「やっちまった…」と悔しい顔のたろう。

12000点の手痛い放銃となった。

南4局

茅森からたろうに3900点が移動して迎えたオーラス。

ここまで苦しい展開のたろうだが、ゼウスがここで終わるはずは無かった。

たろうの手には、既にドラが4枚。

そして3着アップの条件が倍満と、まさにこれ以上ないシチュエーションとなった。

ゼウスの雷が卓上に轟く。

見事に裏ドラを乗せ、倍満ツモで対局終了。

青天の霹靂といった様子の茅森。

「何それ…4着でインタビューされるのキレそうなんだけど!」

というわけで、今日のインタビューは3着のたろうに回ってきた。

槍槓に放銃して箱下まで落ちてからの、倍満ツモで3着浮上。

ある意味大暴れしていた…

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