越前の麻雀ゴリラこと
木原翼が紡ぐ、
こだわりの捨て牌の妙
【A卓】担当記者:masasio 2020年11月1日(日)
ファイナル進出者も16人中13人が決まり、残る枠は3枠だ。
そして今日、その中の一枠が決まる。
最強戦といえば、今をときめくトッププロや華やかな女性プロの対局のイメージが強いが、本日行われる「全日本プロ選手権」は純粋に下から勝ち上がった選手がファイナルを目指す闘いだ。
所属団体も、所属リーグも、プロになってからの経歴も、タイトル数も、性別も何も関係ない。一番純粋なトーナメントだといえるのではないだろうか。
もしかしたら他のトーナメントよりも地味かもしれない。
しかし、一番公平でピュアなトーナメント―
それが全日本プロ選手権だ。
A卓
東家スタート
日本プロ麻雀連盟所属
新谷 翔平
2018年、2019年はプレミアムトーナメントの舞台で最強戦に登場。
その前はこの全日本プロ選手権を2回勝ち上がっている。
A卓の中では圧倒的に経験があると言っていいだろう。
3度目ならぬ5度目の正直でファイナル進出を目指す。
南家スタート
麻雀連合所属
酒井 俊晴
49歳でプロデビューしたという遅咲きの酒井。
それにしても「気合い丸出し丸めがね」とはかなりユニークな二つ名だが、なんでもベスト8を決める対局の際の気合が凄まじかったことからこの名前がつけられたそうな。
対局前のインタビューでは非常に柔和な表情だったが、登場シーンでは気合い丸出しの表情。
このギャップもおもしろい。
西家スタート
日本プロ麻雀連盟所属
木原 翼
胸ポケットにバナナを刺して登場したのは「越前の麻雀ゴリラ」こと木原翼だ。
この日解説のMリーガー滝沢和典プロが「越後の奇跡」なのとはえらい違いだ。
対局前のインタビューでは「しっかり攻めたい」と語った木原。
初出場だという最強戦での舞台で暴れることができるだろうか。
北家スタート
最高位戦日本プロ麻雀協会所属
鈴木 隆将
西家の木原がゴリラなら鈴木はヒグマだ。
最高位戦北海道本部から海を越えての勝ち上がりだ。
北海道ということでヒグマなのだろうか。色々考えるものだ。
対局前のインタビューでは「リーチを受けてからの反撃が自分の強み」だと語った鈴木。
まずは2着までにはいって次に進みたいところだが果たしてどうなるか。
かなり個性的な4人の対局になったA卓。
本来であれば各選手の見どころを紹介したいところなのだが、対局後のインタビューを見て気が変わった。
4位敗退
酒井 俊晴プロ
「厳しかったです。東1局のリーチが空ぶって嫌な予感はしましたが… しょうがないです。」
悔しそうに語ってくれたが、時折笑顔も見られ、納得しているようにも見えた。
気合い丸出しの姿はなく、柔和な表情に戻っていたのが印象的だ。