見ていたファンも「上手だわ、やっぱずんたんすげー・・・」と感嘆の声を上げるものの、これで魚谷のアガリは厳しくなってしまった。
そうこうしている内に、黒沢がテンパイ。
役ありカン待ちをヤミテンとする。
さらに村上が七対子のドラ待ちテンパイ。
そして終盤、沢崎が待ちでリーチを打ってきた。
全員に追い越された魚谷だったが、終盤になんとかテンパイへたどり着く。
ただし、そこで出ていくは黒沢のロン牌。
「やめてー!」
考える魚谷。
少考の末、打ち出したのは・・・
3者の現物、これにはファンから拍手が起こった。
テンパイ料はほしいとはいえ、リターンに見合わないリスクは負わない。
この局を皮切りに、流局が4局続く。
東4局4本場、たまった供託4000点は、沢崎が満貫ツモでかっさらっていった。
東4局5本場、すでに試合開始から1時間半がたとうとしている。
参加者の中では、終電を心配する声も出始めていた。
この局、最初のテンパイは魚谷だった。
からを切ってのペン待ち。
しかし、これに不安の声が上がった。
は場に1枚切れ、そして黒沢が2枚抱えており、しかも門前チンイツのイーシャンテン。
沢崎が赤ドラ含みのイーシャンテン、村上もリーチ直後に一気通貫のテンパイ。
この3者に対し、残り1枚の待ちで戦わなくてはならないのだ。
黒沢、引きでを吸収しきれる形に。
魚谷、さらにピンチ。
しかし、1牌の後先が運命を変える。
村上、掴んだが切りきれずの対子落としでいったん後退。
直後、魚谷の手に。
押していたら、ロンだった。
思わず、表情を曇らせる村上。
しかし、まだまだ厳しい状況は続く。
黒沢がをチーして待ちテンパイ。
しかも残りは山に5枚、魚谷のリーチは風前の灯火かと思われた。
放銃の可能性も低くはない。
さらに村上も切りきれなかったを使い切れる形となり、待ちで勝負のリーチだ。
次巡、絶体絶命と思われた魚谷のツモ。
実況・日吉辰哉は「嘘だろう!?」と叫んでいた。
それを知ったのは、家に帰って放送を見直したときだった。
日吉の大声に気づかないくらい、会場では大歓声が上がっていたのだ。
起死回生、苦境をはね除けるツモ。