役満・四暗刻のリードを守れ! 松本吉弘、トップ獲得までの長い戦い【Mリーグ2020観戦記11/16】担当記者:東川亮

次局、亜樹が2600は2700オールツモ。

松本をハネ満ツモ圏内に捉える、大きなアガリだ。

逆に松本としては、終わると思っていたであろう試合が終わらなかっただけに、どこか不穏なものを感じていたかもしれない。

南4局2本場

各者に2万点ほど差がついている状況であり、寿人、近藤としては中途半端な手ではあまり戦いたくない状況だ。

しかし松本としては、ここで亜樹を自由にさせてしまえば、自身のトップすら脅かされかねない。

手は仕掛けられる形。

ならば、最後は自分で掴み取る。

松本は4巡目のpastedGraphic_4.pngからポン、続けてpastedGraphic_31.pngもチーして手を進める。

そして、9巡目にテンパイ。

待ちは悪いが、とにかくスピードで押し切る構えだ。

恐れていた亜樹のリーチが来るが・・・

最後は亜樹のアガリ牌でもあったpastedGraphic_71.pngをツモ。

自らの力でリードを守りきり、全21局の長期戦を制した。

確かに、親の役満ツモはこれ以上なく大きいアガリだった。

しかし、大量リードがあると言っても簡単に勝ちきれるほど甘いメンツではない。

そのことを、松本はひしひしと感じていたはずだ。

この試合はある意味で、これまで以上に難しい戦いとなったのかもしれない。

勝利に対する充実感か、あるいは自身を覆っていた重圧から解き放たれたからか。

試合後の松本の顔は、いつも以上にすがすがしく見えた。

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