役満・四暗刻のリードを守れ! 松本吉弘、トップ獲得までの長い戦い【Mリーグ2020観戦記11/16】担当記者:東川亮

残り2局。

松本としては基本的にはよほど早い、あるいは高い手でない限り、守備重視の進行となる。

親へ放銃し、直接差を詰められることだけは何としても避けたいからだ。

ただ、守り一辺倒ではいたずらに親を長引かせることになりかねない。

5巡目という早い段階で寿人のリーチを受けるが、近藤と持ち持ちだったpastedGraphic_48.pngが鳴け、pastedGraphic_49.pngpastedGraphic_50.pngpastedGraphic_4.png待ちのテンパイとなる。

自身がドラ3赤で相対的に寿人の高打点の確率が下がっているということもあるが、ここでpastedGraphic_48.pngを合わせて守備重視というのはいかにも弱気な選択だろう。

寿人のリーチは、奇襲とも言うべきpastedGraphic_52.png単騎だった。

これに近藤が飛び込んでしまい、7700の放銃。

寿人はさらに500は600オール、4000は4200オールとツモアガリを連発、マイナスになっていた点数は、気づけば2万点を超えていた。

寿人の爆発力は今シーズン顕著に表れており、松本も少し肝を冷やしていたのではないだろうか。

ただ、次局は亜樹が2000-4000は2300-4300をツモアガリ。

これで、残りはあと1局となった。

南4局

亜樹と寿人の点差は5500点、テンパイノーテンでは変わらない差がついている。

亜樹としては当然逆転トップを狙いに行くが、安手で連荘して寿人に逆転されるのは具合が悪い。

もしもアガれずに流局した場合、たとえテンパイでもノーテンを宣言して試合を終わらせることも考えられる。

 

pastedGraphic_24.pngを仕掛けている亜樹は終盤にpastedGraphic_25.pngをチー、ようやくテンパイにたどり着く。

ただ、打点は1500。

この手をアガったところで、次局寿人に逆転される条件はそれほど変わっていない。

ゆえに、亜樹はこの手を伏せると思われた。

寿人はホンイツpastedGraphic_59.png満貫テンパイで逆転2着の条件をクリアしたがアガれず、ハイテイ手番でpastedGraphic_60.pngを引く。

このタイミングでカンはできないが、マンズの下が全く見えておらず、槓子のpastedGraphic_60.pngはいかにも気持ちが悪い牌だ。

少考の末にpastedGraphic_59.pngを切ってテンパイを崩した。

亜樹がテンパイを宣言しないという読みだろう。

流局し、亜樹は手を開けた。

テンパイ宣言だ。

亜樹から見れば、松本と近藤は仕掛けの亜樹の現物を打ち、オリ気味の進行をしていた。

そして寿人は最終ツモで少考の後、打pastedGraphic_59.png

普段の寿人からすれば、テンパイならばおそらく危険牌であってもノータイムで切り飛ばしていたはずだ。

そこで生まれたわずかな間から、寿人がノーテンと読んだのかもしれない。

テンパイノーテンなら点差は4000点開き、1300-2600ツモや満貫の出アガリでは届かなくなる。

自身の着落ちリスクが下がったということで、試合を続けてトップを狙いに行く選択をした、ということなのだろう。

このあたりはさすがの嗅覚だ。

・・・と推察していたのだが、本人はまくる気満々、流局ならどうあってもテンパイ宣言をしたらしい。

EX風林火山公式YouTubeより)

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