2900と1300だけでもトップが取れる 恐るべき藤崎智の幻術【Mリーグ2020観戦記11/27】担当記者:渡邊浩史郎

まさにセレブの一言。この手を決めれば一撃トップ目だけに、藤崎の動向が気になる。

すぐに聴牌した黒沢。一を切って、出アガリ7700の聴牌。当然とるかと思いきや……

なんと打!!出アガリ7700、ツモって4000オールの聴牌を外した!!

藤崎の手がソウズのホンイツ、そしてそこに対して明らかに対応した第一打ドラをしてきた沢崎、どちらからもこぼれる牌ではないと考えて、さらなる高みのタンピンや一気通貫を見たのであろう。我々一般庶民には考えつかない一打だ。

そしてこれがセレブの引き。

、とまではいかなかったが一気通貫確定のを引き寄せる引力。勢いそのままにリーチかと思ったが、ここは冷静にダマ。直前藤崎がを手出ししたのが気になるところだが……

藤崎がつかんだ!!

が……

なんとカンターツが!!

を切った段階で藤崎はソウズのホンイツに固執せず、このカンターツを残していたのだ!

少しでもホンイツに色気を出せば、放銃していたのは藤崎のほうだったのは間違いない。

そしてこの藤崎の幻想のホンイツ、忍者の幻術が……

黒沢のツモアガリをも潰した!

ここでの黒沢のチャンス手躱しが決定的となったか。

南場、跳満ツモで追いすがった黒沢を躱し切って藤崎が自身2勝目となるトップを獲得した。これで藤崎、チーム共にプラス圏へと浮上。

なんとこの半荘、藤崎のアガリは2900と1300のみ。しかしそのどちらも供託回収、超大物手潰しと大きな意味を持つ上がりであった。

「格闘倶楽部らしくない」とは藤崎自身もよく言うセリフだが、一方でこれほど格闘倶楽部の4人目、最後の1ピースとして適任な選手がいないのも、2019シーズンをご覧いただいた方々ならわかっていただけるだろう。

Mリーグも90試合のうちの30試合、序盤を終えた。いよいよ奸計、策略の相乱れる中盤戦に突入している。

忍者の活躍はこれからが本領発揮というところだ。

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