黒沢の選択は、打。
しかし運命のいたずらとは、こういうことか。
そこから3枚、黒沢の河にが並んだのだ。
そこへ本田、さらに親の岡田からリーチがかかる。
黒沢もドラ単騎待ちで追いつくが、打牌にはやや苛立ちも見える。
アガリは本田。
1300-2600(+1本場)のアガリで、勝ち抜けへ半歩抜け出した。
黒沢と言えば、Mリーグでは副露率が7パーセント台(12/12時点)と、ほとんど鳴かない打ち手として知られる。
南2局、その黒沢がリャンシャンテンから鳴いて形式テンパイに向かった。
最後の親番を失えば勝ち上がりの可能性が非常に小さくなってしまうからだ。
かろうじてテンパイを取りきった黒沢。
普段なら絶対に見られない光景だが、これも麻雀最強戦ならではだろう。
しかし次局は本田のリーチに放銃、点差も離れ、苦しい立場に追い込まれた。
南3局は、食い下がる岡田がラス牌のを引き入れ、平和一盃口の手をリーチ。
これに黒沢も追いつく。
待ちはのシャンポン待ちか、
ペン待ちか。
いずれにしてもアガれればまだ最終局に現実的な条件を残せる。
黒沢の選択はシャンポン待ち。
リーチの岡田の現物を打つルートを選んだ。
しかし・・・
リーチの一発目が。
この日の黒沢は、勝負どころの決断がことごとくハマらなかった。
はいずれも1枚見えだっただけに、普段の強気なら場に見えていないペンチャン待ちを選ぶこともあり得たかもしれない。
結果は黒沢が岡田に3900を放銃。
最終局は逆転を目指す岡田・黒沢に先んじて堀江がツモアガり、自らの手で勝ち抜けを決めた。
4位に終わった黒沢。
勝ち上がりも十分あり得ただけに、悔しさも大きかっただろう。
ただ、勝負が盛り上がったのは間違いなくこの人のおかげだ。
この悔しさを、次回の麻雀最強戦で晴らしていただきたい。
3位の岡田。
苦しい戦いが続いた中でもギリギリまで可能性をつなげた打ち筋はさすがだった。
今回は敗れたが、必ず次のチャンスはくる。
いつかまた、ファイナルの舞台に出てきてほしい打ち手だ。
2位で2nd Stageに進出した堀江。
守備に回る局面が多かったが、我慢を重ね、放銃なしでこの戦いを乗り切った。