西原理恵子 & 山崎一夫 小島武夫の波乱の麻雀人生!

小島武夫プロの
波乱の麻雀人生

麻雀最強戦が盛り上がっております。
最強戦第一期の優勝は、人気漫画家の片山まさゆきさん。

強豪の灘麻太郎プロや安藤満プロに打ち勝って、その実力を全国の麻雀ファンに見せつけました。
で、第二期はというと、実はミスター麻雀こと、小島武夫プロなんです。

ミスター麻雀は麻雀プロの元祖で、プロの歴史をそのまま体現している、言わば歴史の証人であり生きる伝説です。
プロの世界だけでなく、麻雀業界そのものを大きく発展させた功労者でもあります。

最初に麻雀の人気を爆発的に高めたのは、作家の阿佐田哲也先生たちと一緒に作った、麻雀新撰組でした。
誌上やテレビや雀荘のゲストなどで、最先端の技術や、麻雀の醍醐味をファンに教えてくれました。

 

当時、阿佐田哲也さんは、週刊大衆で麻雀放浪記を連載し、大ヒットしていました。
そのモデルとも目される麻雀打ちがプロとして活躍していたんです。

当時の麻雀プロは新撰組数人しかいませんから、プロのギャラも高かった。
私は当時駒澤大学の学生で、高田馬場で雀荘の雇われマスターをしていました。

新撰組の若手プロだった、田村光昭さんに定期的にゲストをお願いしていたんですが、当時の一般の月給くらいのギャラを払ってました。

「山ちゃん、そんなに払ってたの? 当時の相場は、普通の日当の1週間ぶんくらいじゃなかったかな。ボクを呼んでくれれば良かったのに。ガハハハッ」

先日お会いした時に豪快に笑ってました。

 

話はさらに遡りますが、小島プロは九州博多の出身で、若い頃は賭け麻雀で雀ゴロをやったり、雀荘の従業員として働いていました。

当時から地元ではずば抜けた実力の持ち主として知られており、時には大阪などから流れて来た、イカサマ師たちを撃退したりとか。

雀ゴロで勝った金で、夜な夜な酒場に通ったり女性を口説いたりしていたそうです。

「まあ、遊び人だわな」

半世紀も前の話ですが、当時すでに点ピンの麻雀は当たり前だったので、物価を考慮すれば雀ゴロはかなりの稼ぎになったはずです。

おそらく数かずの女遊びや喧嘩や借金などの無法狼藉をしたんでしょうね。
地元に居づらくなっのか、女性と共に東京へ駆け落ちしたんです。

「ボクは運がいいんだよ」

東京で雀ゴロで稼いだり、神田神保町の雀荘で働きながら、イレブンPMなどのテレビ出演をしました。一躍大スターです。

「阿佐田哲也先生は、やっぱり恩人だね」

週刊大衆で、日本最初の本格的な麻雀のタイトル戦である麻雀名人戦が始まったのもこのころ。
小島プロが優勝するだろうと期待されてましたが、実際には勝てませんでした。
で当時メディアが付けてキャッチフレーズが無冠の帝王です。

「まあ、勝負は運不運もあるからね。実力どおりにはいかないよ」

しばらくタイトルには縁が無かったんですが、やがて最高位獲得し連覇、竹書房の最強位も獲得しました。

「やっぱりね、麻雀プロは優勝してナンボだからね。ガハハハ」

最強位戦の優勝賞金は、会場のホテルのバーでその晩のうちに使ってしまうという豪快ぶりでした。
ところで、駆け落ちした女性とは、その後どうなったんでしょうね。

「上京してすぐに別れた。本当は列車の中で別れたくなってたんだけどね」

 

女子プロの隆盛も
小島プロによるところが大きい

小島武夫プロは、日本プロ麻雀連盟(森山茂和会長)の最高顧問ですが、初代会長だった頃に、女子プロを育成した功績も大きいと思います。

女子プロの第一世代である、浦田和子さんや高橋純子さんを勧誘し、人気女流プロに育てたんです。

「小島先生たちって酷いですよ」

今年の春にお会いした、現在秋田市在住の高橋純子さんの述懐です。

「私は当時ある出版社に努めていたんですけど、ある晩小島先生に酒場に呼び出されたんです」

どうやら博多時代と変わってないようです。

「そしたら、先生や伊藤優孝さんたち数人がたむろしてて、まるでヤクザみたいなんですよ」

 

わかるわー。

その場で連盟のテストを受けることを約束させられて、半ば強制的にプロにさせられたそうです。

「ボクは運がいいんだよ」

というのはここでも発揮されてます。

浦田プロや高橋純子プロが、超売れっ子になったのはもちろんですが、実は高橋純子さんは、ゲームの開発も手掛けており、麻雀ゲーム(極シリーズ)の一大ブームを作ったんです。

ゲームには小島武夫プロや井出洋介プロが登場し、麻雀プロの収入と知名度を上げてくれました。
運もあるんでしょうが、先見の明もあると思います。

日本プロ麻雀連盟は、その後も麻雀格闘倶楽部やロン2などと提携し、多くのファンを獲得しています。

「ボクは運がいいんだよ」

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