私は私のまま戦って敗れたい 放銃上等で押し切った高宮まりの決意【Mリーグ2020観戦記2/9】担当記者:ZERO

もうツモ番はない。
丸山に放銃したら最低でも12000、ホンイツなら18000まである。

常識で考えたらオリる場面だ。

高宮も一瞬を切ってオリようと手が伸びた。

だってもうアガる可能性はなく、相手は親のドラポンなんだから。

本当にそうだろうか?
高宮は今一度考え直す。

実はツモ番のないこの状態からも、高宮のアガリのルートが2つ存在する。

まずは切ったを丸山がポンすると高宮にハイテイが回ってくる。そこでのアガリ。

もう1つは、丸山のポンがなくとも、その丸山がハイテイを切ってくれるかもしれない。最後の親番である丸山はどんな危険牌でも切ってくると思われる。

危険で、か細い道だけど…アガリのルートは…ある。

ならば!

私は押す!

この選択、瞬間的には損なのかもしれない。
いわゆる「やりすぎ」というやつだ。

しかし高宮は、シーズン序盤に、

一牌が押しきれずにポイントを失うことが多かった。

後から振り返って、かなり悔いが残ったのではないだろうか。

同じ負けるにしても、戦って負けるべき。
それが私の持ち味だし、それがKONAMI格闘倶楽部の麻雀。

そう思ったのかどうかわからないが、この夜は完全に攻撃に特化していた。

結果、亜樹が脱落し、丸山の親も落とした。

あとはトップ目、白鳥の親番だ。

南3局

そんな高宮の手が止まる。↓

手が良くないだけに安全牌()を持ちたくてたまらないのだ。

特にマンズのという部分が悪い。

ドラだけどを切っておきたい。

大事な場面だ。
高宮は迷った。

を切る?いや…

一意専心

わき目もふらず心を1つのことだけに注ぐこと。

同じ負けるなら…

私は私のまま、攻め抜いて負けたい!

高宮はを切り、目一杯構えた。

その思いに応えるかのように、真紅のが手元にやってくる。

ペンテンパイ!
あそこでを切っていたら組めなかったテンパイだ!

 

危ない。また自分を見失いかけた。
だけど大丈夫。
もう何が起きても下を向かない。

私は私を取り戻した。

リーヅモ・赤・ドラの20004000!
このアガリが決まり手となった。

ガラクタカンリーチを打ったり、ツモ番無しでを押した打ち手とは思えないくらい、爽やかでかわいらしい女性がインタビューを受けていた。

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