しかしこの
でやや小考。
瀬戸熊は一息入れて…
を残した。四暗刻に絞らず、現実的なテンパイを取りに行く。
スムーズに
を引き入れてテンパイ!
出アガリはあまり見込めないが、ツモり三暗刻ならむしろその方が良いだろう。
しかし、1人旅をしていたはずの15巡目、突如として刺客が現れる。
親の滝沢がドラ3でリーチを掛けてきた。
ここまで息をひそめていたが、「俺を忘れてもらっちゃ困るよ」と、東4局にしてようやく開眼。
その刹那だった。瀬戸熊の指先には、丸い点が4つ。
滝沢の手に吸い込まれるように、その
は河に放り込まれた。
風林火山本陣の雄叫びが聞こえた。雷電ユニバースの悲鳴が聞こえた。
あまりにも、あまりにも痛すぎる18000。滝沢が一撃でトップ目に浮上した。
これにはさすがの瀬戸熊も参ったか。…と思いきや、意外にも冷静な表情を保っていた。
なぜ冷静でいられるのか。その答えはすぐに分かった。
「大丈夫、まだ手は入っている」と、意気揚々とツモ山に手を伸ばす。
そう、勝負手からの放銃は、まだ戦えている証拠だからだ。その手にはドラの
があったが、構わずに切っていく。
そしてネックの
を引き入れ、
も叩き切った。
次々と有効牌を引き入れ、流れるようにリーチ。その手は自然に789の三色になっていた。
こんなリーチがツモれないわけがない。パチンと小気味よい音を響かせ、
で渾身の跳満ツモ。
またしても混戦のまま、南場へ突入した。
南場は内川が満貫を決めて滝沢に追いつき、
松本が瀬戸熊から3200点を上がって下位陣の差が詰まる展開となった。
南4局
瀬戸熊は満貫ツモなら2着、跳満ツモでトップ。だが一体、この配牌からどうやって跳満に仕上げればよいのか…?
跳満は厳しいと思われていた8巡目、転機が訪れる。
4枚目の
、迷わずカン!これでドラを乗せれば、逆転できるかもしれない。
新ドラは
。瀬戸熊にとってはダブ
。つまりリーチしてダブ
をツモれば逆転できる。
そんな希望の光が見えた瞬間、絶望ともいえる
の両面チーが入った。
内川が
と
のダブルバックで、今か今かとアガリを待ち構えている。
は松本に1枚浮いている。
滝沢の手にも
がポツンと1枚。
そして瀬戸熊の手にも南が浮いている。
これは我慢比べだ。先に役牌を打ったものが地獄行き。
滝沢は親番だったが、
をリリースして
を出さない体制。
跳満放銃すると3着に落ちて雷電を助ける格好になるため、徹底ガードに回った。














