要所を締めて勝利した
二階堂亜樹と、
クレバーな守備で
2着を守った日向藍子
文・東川亮【月曜担当ライター】2021年4月12日
Mリーグ2020シーズン、レギュラーシーズンが終わって1ヵ月。
4/12から冠スポンサーが朝日新聞に変わり、セミファイナルシリーズがスタートした。
長い中断期間は万が一の新型コロナによるリーグ日程変更に備えてのものだったそうだが、この日を今か今かと待ちわびたファンも多かったことだろう。
かくいう筆者もそのうちの一人だ。
注目のセミファイナル開幕戦、出場選手は以下の4名となった。
第1回戦
東家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局。
亜樹がこの形から安全牌候補のをツモ切ってまでを引っ張った。
ピンズはが二度受けの形で、やや不安が残る。
それよりはソーズの伸びを見て、より良い受け入れを作る狙いだ。
次巡の引きが絶好。
イーシャンテンの受け入れ枚数が増えた上、一盃口や赤引きなどでのさらなる打点アップが見えるようになった。
安目とはいえ狙い通りの引きで待ちリーチを打ち、
5800のテンパイを入れていた寿人から打ち取ると、引き入れたが裏ドラで8000。
狙いがズバリとハマったアガリで、まずは亜樹がスタートダッシュに成功した。
亜樹は次局も寿人の先制リーチに追っかけ、2400を直撃。
寿人のリーチは3メンチャンだったが、待ちが良くても勝てるとは限らない。
東3局。
ここまで厳しい展開が続く寿人に、ドラ3のチャンス手が入る。
打点は十分、そして打ち手が佐々木寿人だけにどんなテンパイでもリーチをかけてかしくないと思ったが、7巡目のペンカン待ちテンパイは取らなかった。
最大の目標は、リーチではなくアガること。
そう考えれば、残りが多くても3枚の待ちに頼るより、
などを引いてより良い待ちへの変化を見た方が良さそうだ。
もちろん、引きでのフリテンリーチなども想定していただろう。
一方の亜樹は9巡目でこの形。
メンツ手でも七対子でもイーシャンテンの、面白い形だ。
ここから何を切るかは好みが分かれそうだが、が一番いろいろな可能性を残せそうではある。
亜樹は東1局とは打って変わってからの切りを選択、メンツ手に絞った。
場にマンズの真ん中が高く、あまり期待できないと読んだか。
次巡にを重ねてツモり三暗刻のリーチ。
寿人の追っかけリーチを受けた直後にツモアガって2000-4000。
一気に他3者を引き離した。
南3局。
ここまでアガリがなく劣勢の寿人に、一発逆転のチャンス手が入った。
門前なら倍満クラスすらあり得る手材料、1枚切れのを鳴いてもホンイツで満貫以上の打点が期待できる。
そこへ、岡田が2枚目のをツモ切る。
寿人は、一切の躊躇なくツモ山に手を伸ばした。