Mリーグの一番長い日 揺らぐシャーレの行方は【Mリーグ2020ファイナル観戦記5/18】担当記者:ZERO

優勝までは相当厳しい状況に追い込まれていた。

(回想シーン終わり)

一度は死んだ身。

この場で優勝争いできている事自体が僥倖。

もう我々にはこれ以上失うものはない。

全力でぶつかるのみ!

「カン」

突如の発声に、場が凍りついた。

発声の主は親の村上。そして倒された4枚の【7ピン】はドラである。

村上はテンパイかわらかないが、この手に飛び込んだものが最初の脱落者となってしまう。

さらに仕掛けた内川も勝又のリーチに押し返していく。

 

今突きつけられている条件は、サクラナイツの4人で掴んだ条件。

条件は簡単ではないが、ファイナルの末席に座っているだけだった昨シーズンを考えると今はなんて幸せなんだろう。

天と地ほどの差だ。

村上にあの手をアガられるとトップが厳しくなり、条件が厳しくなる。

勝又に先制されるのも同様に条件は厳しくなる。

つまり、リスクを追うなら今だ。

内川のツモる手に闘志が漲る。

その手が持ってきたのは…

 

【2ソウ】だ。

勝又のリーチは、

【4ソウ】→字牌→【3ソウ】となっており、

通常のメンツ手なら【2ソウ】【5ソウ】は本線になる。

ここで内川は

メンツを中抜きしてオリた。

さすがに闘志だけでは押しきれない牌はある。

こうして最終盤、死の宣告が下された。

「リッチ!」

ようやくテンパイした村上がリーチを打ったのだ。

親のドラ暗槓付きのリーチ。

この時、勝又の待ちである【1マン】も、

村上の待ちである【1ピン】【4ピン】も山にいた。

勝又は痛恨の放銃に沈むのか、それとも凌ぎ切ることができるのか。

2人の間で、優勝シャーレが意味ありげに輝いている。

シャーレは風林火山のもとに揺らぐのか、はたまた遠のいてしまうのか。

【1マン】【1ピン】【4ピン】か。

勝又のツモ番ーー

マンズだ!

違う!【6マン】だ!

続いて村上がツモ山に手をのばす。

 

村上の手からそっと【1マン】が解き放たれた。

風林火山の渇望していた牌が山の奥底に眠っていたのだ!

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