だが、たろうもを重ねて高目12000のテンパイで追いつく。
そしてこちらも打点がほしい藤崎が、テンパイから手を組み直してホンイツに仕上げ、リーチをかけた。
2人に挟まれた格好の小林。
自身は前巡にペン受けを嫌っており、が完全に浮いてしまっている。
そしては藤崎と親のたろうの現物。
荒が4度放銃した小林から直撃。
勝敗が決した瞬間だった。
全9局中、最終局の流局を除けば、荒と小林が4度ずつアガるという戦い。
4位たろう、3位藤崎は、どうにも突破口を見いだすことができなかった。
非常に厳しい展開だったが、それでも勝機を探って丁寧に打つ姿は、見ていて非常に参考になった方も多いのではないだろうか。
2位の小林は、荒から4度の直撃を取るも荒の打点力に屈した。
とはいえ小林も、この戦いで存分に小林剛の麻雀を見せてくれたと思う。
およそ20年ぶりだというレジェンドとの真剣勝負は、きっと小林に新たな刺激をもたらしたことだろう。
そして勝った荒。
放銃しても攻めるべきところはしっかりと攻め、勝ちをもぎ取った。
そして、アガリに向かうまでの手順に関しても、さまざまな見どころがあった。
老雄なお健在、12月に行われるファイナルでも、経験や実績、なにより実力に裏付けられた今の荒正義の麻雀で、現代の麻雀ファンを唸らせていただきたいものだ。
荒プロ、ファイナルでのご活躍を期待しております!
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。